Water Blue Cafe(ウォーターブルーカフェ)
JR中央線「西荻窪」駅の北側、線路沿いの道を東へ歩くこと1分。高架向かいのビル1階に小さく佇む「Water Blue Cafe(ウォーターブルーカフェ)」は、ケーキとコーヒーを主役にほっこりとした時間と空間を提供する、昔から地元の人々に愛用されてきたアットホームな喫茶店である。
店を営んでいるのは、結婚を機に西荻窪で住むようになったという高田さん。優しい笑顔が印象的な女性で、店主としてすでに15年以上のキャリアを持つ。高田さんはもともとOLとして一般企業に勤めていたが、西荻窪で腰を据えるにあたり、「地元の人が集まって、ほっとできるような場所をつくりたい」と一念発起。自力でこの店をつくり上げた。店の中心には楓の無垢材を使った大きなテーブルが置いてあり、それを囲むように、地元の人々が思い思いの時間を楽しんでいる。
この店の特徴のひとつは、西荻のカフェとしては珍しく「食事メニューが一切ない」ということだろう。メニューはケーキとドリンクのみ。多くの人はコーヒーとケーキをセットにして楽しんでいくそうだ。派手さや目新しさはないが、ドアを引いた瞬間に感じる香りは「ああ、喫茶店だ」と思わせてくれて、とても心地が良い。昔ながらの「純喫茶」の雰囲気が感じられるからであろうか、西荻の外から来る人よりも、地元の常連さんの割合が圧倒的に多いという。
創業当初からあまりメニュー替えをしていないというケーキは、シュークリームとロールケーキの二枚看板。そのほか店主のおすすめは「マルジョレーヌ」というヘーゼルナッツのクリームとチョコのスポンジを重ねた一品だ。濃厚ながら優しい甘さで、店のコーヒーとよく合う。ケーキは常時15種類ほどを置いてあり、ほとんどが定番品。あまり奇をてらったものではなく「おうちで、お母さんが焼いてくれるようなケーキ」を意識しているそうだ。店内ですべて手作りしており、素材には北海道産小麦や岩手県産「北の卵」など安心・安全素材を使用。良心的な価格も魅力で、コーヒー、紅茶類はケーキセットにした場合には100円引きになるサービスもある。
ドリンクはコーヒー、紅茶を中心に、中国茶やはちみつを使ったヘルシードリンクなどが揃う。評判高いコーヒーも開業当初から変わらぬ定番の味で、かつて近くにあった「コクテール堂」のロースターから、生豆のまま3年間熟成させてから焙煎したエイジングコーヒーを仕入れて使い始めたものだという。同社の工場が移転した後も継続して使うほど惚れ込んで使っているだけあって、その味は個性的。注文ごとにミルして、たっぷりの粉を使って落としてくれるコーヒーは濃厚な色をしており、まったりとした深い味わいを楽しめる。好みに応じて軽いものから深煎りのものまで、3種類を選べるそうだ。
もうひとつ、この店の名物と言えばイラスト入りのバースデーケーキも忘れてはいけない。学生時代に美術史を専攻していたという高田さんは「まだまだ拙いですけれど、お客さんに鍛えられています。まさかここでその経験が生きるとは」と微笑む。似顔絵からキャラクターまで、基本的に何でも対応してくれるそうで、料金も5号3,000円からとリーズナブル。この店でバースデーケーキを頼む人のほとんどは、イラスト入りのケーキなのだそうだ。
親子でお店のファンになる人も多いそうで、そんな子どもたちのために、子ども向けのお菓子作り教室も開いている。月に3回ほど、夕方6時から2時間の開催ということだが、こちらは「親子」ではなく「子どもだけ」のお菓子教室。2時間の間、ママの目がない場所で独力でケーキやプリンなどを作り、でき上がりを持ち帰ってもらうというものだ。リピーター率が高い好評の講座なのだという。
「コーヒーとホームメイドケーキの店」という理念を、真面目にまっすぐ守り続けている「Water Blue Cafe」。ほんわかした人柄の店主さんだが、その胸には「西荻の人のためのお店にしたい」という思いが、ブレずにまっすぐ宿り続けている。利用の仕方はお客さん次第。気軽に訪れてケーキだけを買って帰っても良いし、集まってワイワイお喋りを楽しんでも、濃密なコーヒー片手に、読書に耽っても良い。どんな過ごし方でも快適に過ごさせてくれる気兼ねの無いカフェである。
※本文内の教室やメニュー、価格等は掲載時のものです。変更している場合がありますのでご了承くだい。
Water Blue Cafe(ウォーターブルーカフェ)
所在地:東京都杉並区西荻北2-5-11 ひかりビル103
電話番号:03-5310-4446
営業時間:11:00~20:00
定休日:月曜日、第2・4・5火曜日(祝日の場合は翌日)
http://waterbluecafe.jp/