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プログラミングやロボット製作を通して、創造力を育む学びの場

LITALICOワンダー 横浜

「IT×ものづくり」をキーワードに、幼稚園児から小中学生、高校生まで幅広いプログラミング教室を展開している「LITALICO(りたりこ)ワンダー」。2014年に始まり、現在(2020年2月時点)では首都圏各地に15箇所の拠点を置いている人気の教室だ。

今回訪れたのは、その中でももっとも横浜駅に近い場所にある「LITALICOワンダー横浜」。こちらは2016年に開設された教室で、現在も300名ほどの子どもたちが通っている。

今回はこちらで教室長をしている昌子悠太さんを訪ね、「LITALICOワンダー」とはどんな教室で、子どもたちはここで何をして、何を学んで、何をはぐくんでいくのか、横浜エリアの魅力とともにお話を聞いた。

LITALICOワンダー横浜 教室長 昌子悠太(しょうじ・ゆうた)さん
LITALICOワンダー横浜 教室長 昌子悠太(しょうじ・ゆうた)さん
昌子悠太さん
昌子悠太さん

――まず、「LITALICOワンダー横浜」の概要について教えてください。

昌子さん:まず最初に、私どもの母体である「LITALICO(りたりこ)」という会社について説明が必要かと思いますが、もともと「LITALICO」という会社は「障害のない社会をつくる」をビジョンに掲げ、障害のある方向けの就労支援を行っています。その中で次第にわかってきたのが、幼少期にコンプレックスを持ち始めた方がとても多いことだったんです。そういったこともあって、障害のある方や、いわゆる「グレーゾーン」と言われている子どもたちに向けて、学習しやすい環境を提供しようということで、「LITALICOジュニア」という学習塾が生まれました。

その学習塾では、支援が必要な子どもたちに向けての授業を展開していまして、たとえば、電車が好きな子だったら、電車の本数で足し算や引き算をしてみたりと、個別指導で、オーダーメイドの授業をやっていたんです。ここまでは、どちらかと言えば「不安に対する安心を与える」という事業だったわけですけれども、さらにどうすればその子たちが活躍できるか、希望を見せられるか、ということを探っていきまして、「ITを使ったものづくり」というものに行き着いたんですね。

普段の学習だと、「ここまでにこうならなきゃいけない」といった目標や期限があるわけですけれども、ものづくりの場合は、どこから入っていってもいいし、期限も無いんです。そういうプレッシャーのない世界では、障害の有無に関係なく、活躍ができるんですね。

こういった経緯で生まれたのが、「LITALICOワンダー」でして、2014年の渋谷教室から始まりましたので、全体としては6年目になりますが、横浜教室は2016年に開設された4年目の教室になります。

LITALICOワンダー 横浜
LITALICOワンダー 横浜
LITALICOワンダー 横浜 内観
LITALICOワンダー 横浜 内観

――カリキュラムはいくつかのコースに分かれていますね。どのようなコースがありますか?

昌子さん:まず前提として、「「LITALICOワンダー」はお子さん一人ひとりに合わせた授業を提供しているので、「クラス」というものはありません。「コース」でしか分かれていないんですね。ですから年齢にあまり関係なく、下は年長さんから上は高校3年生まで、幅広く来ていただいています。

コースは大きく分けると4つ、まず、プログラミングを中心にゲーム作りをしていく「ゲーム&アプリプログラミングコース」と、ロボットを作るコースがふたつ、低学年向けの「ロボットクリエイトコース」と、高学年以上向けの「ロボットテクニカルコース」、もうひとつ、3Dプリンタを使ってモノづくりをする「デジタルファブリケーションコース」があります。

「ファブリケーション」というのは聞きなれない言葉かもしれませんけれど、「製作」という意味の言葉で、今まで段ボールや粘土で作っていたようなものを、デジタルの空間で作っていきましょう、というコースです。3Dデータをパソコンの中で作って、それをフィギュアとして出したり、ということをやっています。もちろん、複数のコースを掛け持ちすることもできます。

さらに、2019年の秋に「ゲーム&アプリエキスパートコース」というコースも新設しましたので、合計で5つのコースということになりますね。お話したとおり、「LITALICOワンダー」は6年目になるので、当初小学生だった子が今は高校生になっているんです。そうなると必要なのは、社会で使っているツールと同じものを使って、実践的に学んでいくということなんですけれども、それに対応するものとして、このコースが作られました。エキスパートコースは主に高校生が対象になりますが、プロのエンジニアが使っている「Unity」※1(ユニティ)、「HTML」、「JavaScript」といったツールを使って、本格的なコンテンツ制作をしています。

※1:Unity および関連の製品名は Unity Technologies またはその子会社の商標です。

 

「ITを使ったものづくり」
「ITを使ったものづくり」

――実際の制作物をいくつかご紹介いただけますか?

昌子さん:まずロボットでは、これは低学年向けの「ロボットクリエイト」コースの作品で、最初はテキストを見ながら作っていくことになりますが、そのひとつで、モーターと輪ゴムをつないで、輪ゴムの駆動の力でタイヤを動かすフォーミュラカーです。慣れてきたら自由に作ることもできるので、たとえば、「プリンターを自分で作りたい」という子は、こんな、紙を出す仕組みを自分で考えて作ったりもしていました。

少し学年が上がって、自分だけのロボットを手に入れて作ってみよう、というのが「ロボットテクニカル」コースですが、こちらのコースでは基本的にロボットを購入して組み立てていきます。クリエイトコースは90分で完結させないといけないんですが、テクニカルコースでは続きからも作れますから、規模も大きくなりますね。

もちろん自由に作ることもできて、教室で用意しているセンサーやモーターに、自宅で使っているレゴブロック※2を組み合わせたロボットを作ることもできるので、自分の家で作ったレゴにモーターを付けて、動かしている子もいます。

デジタルファブリケーションコースについては、コンピューター上で図面を作って、それを3Dプリンターで出力して作品にしますので、自由にキャラクターを作ったり、建物を作ったり、ということをやっています。「3Dペン」を使った制作もしていますね。

「ゲーム&アプリプログラミングコース」については、「Scratch」※3(スクラッチ)というソフトを使って、パソコン内で動かすゲームを作っています。こういう感じでもぐらたたき風のゲームを作ることもできますし、これをベースにちょっとだけプログラムを変えて、ゾンビを倒すゲームに作り変えることもできます。得点とか制限時間も変えられますし、キャラクターが動く場合は、動く方向も量も、速度も、どこで反転するかなども変えられます。

こういう形で、まずは、子供が最初にパソコンのスキルで困るところであるキーボード打ちや英語といった障壁を排除した形で、プログラミングに取り組んでいただけるようになっています。

※2:LEGO and MINDSTORMS are trademarks of the LEGO Group.(c)2020 The LEGO Group.M
※3:ScratchはMITメディアラボ ライフロングキンダーガーテンのプロジェクトです。

実際の制作物
実際の制作物

――1コマ90分の授業ということですが、どのように進めていくのでしょうか。

昌子さん:ひとりひとり毎回作るものが違いますから、まず、授業の最初には毎回目標設定をして、子ども自身に取り組むテーマを決めてもらっています。これは、既存のテキストから選ぶ場合もあるし、自由に案を出してもらって、スタッフと一緒に考えていく場合もあります。 スタッフもずっとつきっきりではなくて、つまずきそうな時や、わからないことがあった時に、サポートをしながら進めていくという形で、あくまでも「主役は子供たち」という授業の形をとっています。

そういう形で、子ども自身が最初の意思決定をして、作りたいものを作るからこそ、90分という長い時間でも熱中できて、出来上がったものに対しても感情を持てて、「次も頑張ろう」と思えるんだと思います。

「子どもたちが主役」の授業
「子どもたちが主役」の授業

――横浜教室ならではの特徴、子どもたちの様子、先生方の雰囲気などについて教えてください。

昌子さん:いろんな教室と比べてみても、子どもたちの技術の幅と、作るものの個性は広いと思います。横浜教室も4年になるので、エキスパートコースの子もだんだん多くなってきているんですが、ゲームの作り方についても個性がいろいろで、ルールやバランスなどプログラミング部分をひたすら強くする子もいれば、フィールド作りやデザイン作りなど、プログラミング以外の方向に力を入れる子もいて、技術力の幅も、表現したいものの引き出しも広い教室なのかな、と感じています。

個性あふれる作品
個性あふれる作品

――近隣の企業や研究所等とのコラボや連携などはありますか?

昌子さん:最近だと、駅前に複合型体験エンターテインメントビルができ、そこには展示スペースやものづくりをするスペースもあるんですが、うちはそことコラボレーションをさせていいただいて、Tシャツをその場で印刷したり、レーザーカッターでアクリル板を切ったり、木を切ったり、ということで時々使わせていただいています。これは、ほかの教室ではやっていないと思いますね。

ほかにも、近隣の商業施設さんで体験のスペースを設けさせていただいて、一般の方にプログラミングの体験をしていただくようなイベントもやっています。あと、これは「LITALICOワンダー」全体としてのイベントになりますが、年に1回、ぜんぶの教室が集まった発表会がありまして、うちの教室からも、たくさんの子どもたちが参加しています。

近隣の企業とのコラボも
近隣の企業とのコラボも

――どういうきっかけで入ってくる方が多いですか?

昌子さん:これは2パターンあると思います。ひとつは、先ほど申し上げたような、なんらかの障害を持っていたり、グレーゾーンと呼ばれている子どもたちです。これは親御さんがもともと「LITALICO」という会社を知っていて来られるパターンが多いです。

もうひとつは、2020年から小学校でもプログラミング教育が必修化になりますから、プログラミングというもの自体に興味を持って来られるパターンです。「家ではゲームしか、レゴブロックしかしていないけれど、それだけ好きなんだったら、それを伸ばしていくことができないか」ということで、習い事や学習塾と天秤にかけて、選んで来られるパターンが多いですね。

もちろん、好き嫌いに関係なく、「学校でプログラミングが始まるから、学校でうちの子だけ遅れないように」という方もいらっしゃいます。「もし遅れたら、うちの子は自分は向いていないと思って、可能性を狭めてしまうんじゃないか」という不安を持っていらっしゃるんですね。ほかで通塾している親御さんからも、そういったことからお声がけをいただくことは多いかな、と思います。

入る年齢については、一概には言えないのですが、ボリュームゾーンで多いのは小1から小3くらいですね。男女比については、男子が若干多いです。ただ、最近はゲーム好きな女の子が増えてきて、女子の割合も増えてきていますね。

LITALICOワンダー 横浜
LITALICOワンダー 横浜

――子どもたちはどのくらいの頻度で、どのあたりから通っているのでしょうか。

昌子さん:頻度については、基本的に2パターンで、「月に2回隔週」もしくは「月に4回」になります。中には追加で月に6回、8回という方もありますね。個別指導でやっているので、「1回休んだら遅れる」ということが無いですから、振替にも柔軟に対応しています。休会もできるので、受験の間だけおやすみして、合格したら戻ってくる、という方もいますね。

横浜教室のエリアは本当に広くて、遠いところだと御殿場という子もいますし、横須賀方面もいます。なかなか定期的には通いづらいという方のために、学校が休みの期間に短期講習というものもやっていますので、そういった時だけ来る方もいます。

――ほかのプログラミングスクールとの違いは何ですか?

昌子さん:やっぱり、「オーダーメイドの授業」をやらせていただいているからこその、「ゼロからものを生み出す経験」だと思います。中高生からそういうことをやっている教室は多いですけれども、小学生からというのは珍しいと思います。

印象として、ほかの教室さんは理科とか算数に近い感じなんですが、うちは、図工に近いと思っているんです。評価をするわけでもないし、スキルにフォーカスするよりも、自由に好きなだけできる、「ゼロから生み出す経験」をできるというところが、大きな違いなのかな、と思います。

あと、もともとが学習困難児の支援から始まった事業ですから、いろんな障害を持った子どもたちが馴染みやすい環境もあると思います。実際に、そういった子どもたちもたくさん来られています。

プログラミング授業
プログラミング授業
LITALICOワンダー 横浜
LITALICOワンダー 横浜

――将来、文系に進んだり、ITとは無関係の仕事に就く子も多いと思いますが、そういった子にとって、ここでの経験はどんな風に役立っていくと考えていますか?

昌子さん:学校でプログラミングの授業が始まると言っても、成績が付くわけではないので、受験や進学で有利になるといったことは無いと思いますけれど、ここで積んだ「成功体験」というものは、大きな自信になっていくと思います。これを原体験にしてもらって、将来の可能性を広げていってくれたらいいな、と思っています。

実際に生徒から聞いた話をご紹介すると、ロボットを作ることが大好きな子がいたんですが、彼がそのことを推薦入試の時に話して、志望校に合格したという子はいましたね。進路を広げてくれている、ひとつの可能性にはなると思います。

――今後、新しく取り組みたいこと、力を入れていきたいことを教えてください。

昌子さん:

あくまでも私個人の思いですが、子どもたちの技術や表現の幅を広げてあげたいと思っています。あとは、「社会とのつながり」を増やすことですね。作品を「作る」「紹介する」ということにとどまらず、社会と関わるというところまでもっていければ、もっと面白くなると思っているので、そうした機会を模索していきたいですね。

――横浜駅周辺のエリアの魅力とは何でしょうか?

昌子さん:私自身も横浜市民で、東横線沿線に住んでいるんですが、横浜駅の周りはやっぱり、県内では有数の「なんでもある場所」だと思っています。市場規模が大きくて、いろんな店があって、衣食住には困らないですね。その一方で、主に東口のほうになりますが、湘南独特の風情があって、しらすが美味しいお店なんかも多いんですよ。メンバーでも時々そのあたりに行っています。そういうギャップも面白いですね。

子育てをされている方にとっても、さきほどお話した複合型体験エンターテインメントビルがあったり、それ以外にも、東京にも無いようなエンタメスペースが沢山あって、子どもがいろいろ経験するという意味では、素晴らしい環境があると思います。いろんなものが集中していますね。

東京の場合は、そういう場所がいろいろなところに点在しているんですけれど、神奈川の場合は横浜駅のまわりに集中していて、ほとんど徒歩とか自転車で回れちゃうんですね。そういうところも便利だと思います。

――最後に、これから横浜に暮らしたいという方に向けてメッセージをお願いします。

昌子さん:横浜というこの地域は、子育てをするにも、生活をするにも、いろんなものが集中していて、便利に、安心して住んでいただける場所だと思います。そんな中で、お子さんにもっといろんな経験とか、新しい活躍できるフィールドを見せてあげたいと思ったら、うちに遊びに来てもらえたら嬉しいな、と思っています。

※この情報は2020(令和2)年2月時点のものです。

LITALICOワンダー 横浜
所在地:神奈川県横浜市西区平沼1-38-2 咲久良ビル3F
電話番号:045-316-5073
営業時間:15:00~20:00(土・日曜日9:00~18:00)
定休日:月・火曜日、第5週の29日~月末
https://wonder.litalico.jp/




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