スープカレー ポニピリカ 町田店
「町田」駅南口から徒歩10分ほどに「ポニピリカ」は、下北沢にある人気のスープカレー店の支店として、2016(平成28)年10月にオープンしたお店。カレーライスのメニューはひとつも無く、「スープカレー」だけを提供するという、町田エリアでは珍しいタイプの店である。
店主の菊池文博氏は北海道の出身。札幌が発祥地であるスープカレーをこよなく愛し、さまざまな名店を食べ歩く中で「この美味しさを、東京で自分なりに表現したい」と考えていた。そんな夢を抱えて上京し、最初に勤めたのはなんとラーメン店。埼玉県の店舗でスープを作りながら、店経営のノウハウや、スープカレーのベースとなるブイヨン作りを学んだという。
5年間のラーメン屋勤務の間、自宅でもブイヨン作りやスパイスの調合を試行錯誤し、自身のレシピを研究していたという菊池氏。5年経ってレシピが完成したことを機に、下北沢に店を出すことを決意したそうだ。店はたちまち人気店となり、今も多くのお客さんに恵まれているが、「もっといろんな人にスープカレーを知ってほしい」と郊外に支店の場所を探し、この場所に白羽の矢が立った。慌ただしい都心ではどうしても時間に追われてしまうため、「一杯一杯を丁寧に提供したい」という思いもあって町田を選んだ。
「ポニピリカ」のスープカレーの特徴は、まず一つは、唯一無二とも言える濃厚なブイヨンだ。普通、スープカレーと言えばサッパリとした喉越しをイメージさせるが、この店のブイヨンは、ラーメン店譲りの濃厚豚骨タイプ。高温で長時間炊き、ゼラチン質をしっかり抽出したふくよかなブイヨンは、ほかの店では出会えないものである。
ブイヨンは仕上げ用に合わせるスープによって3種類のテイストに作り分けられる。カツオだしをベースにした「和風」、海老の香りをたっぷり閉じ込めた「海老」、エキゾチックな味わいを楽しめる「トマト」の3種類だ。オーダー時にはこの3種類からテイストを選び、辛さを指定する。注文を聞いてから小鍋でブイヨンとスープを合わせるという丁寧さ。
一番人気は皮目をパリパリに仕上げた鶏モモ肉と、たっぷりの野菜を組み合わせた「チキンと野菜のカレー」。辛さは「2」がデフォルトで、一般的の中辛程度のだが、「3」以上では香辛料の数が増えてさらに複雑な味わいになるので、最初から「3」でも良いかもしれない。
たっぷり盛られた野菜はそれだけでも十分な食べ応えがある。時期により野菜の種類は少々変わるが、それぞれの野菜ごとに最適な火の入れ方をして、丁寧に仕上げている。ゴボウはほっくり、ナスはパリッとジュワッと、それぞれの風合いが楽しい。鶏モモ肉は大きなものが丸ごと入り、軟骨まで柔らかくなっているため食べやすい。
ライスは別皿で提供され、雑穀が少し混ぜられている。そのほうが白米だけよりもパラっとし、スープカレーとの馴染みが良いという理由からだ。ライスにスープをかけるよりも、ライスをスプーンに取って、スープに浸しながら食べるのがスマートだろう。
このほか、変わったものではエゾシカを使ったメニューが幾つかある。「エゾシカのハンバーグカレー」や、「エゾシカのサラミ」といったものだ。これは菊池店主の北海道の知り合いをたどって仕入れている肉で、エゾシカ肉は本来非常にクセが強いそうだが、この店のスパイスと合わせるとエグみが和らぎ、100%エゾシカ肉でも、美味しく食べられてしまうのだとか。特にハンバーグなどはこの店でしか食べられないものなので、一度お試しいただきたい。北海道で加工しているサラミは、「ワインにすごく合うんですよ」ということだ。
町田の中心市街地から外れた場所にありながらも、すでに多くのファンを抱えた繁盛店となっている「ポニピリカ」。本格志向でありながら、子ども用のスープカレーも提供するなどファミリー対応も良いので、町田でちょっと変わったカレーを楽しみたいという人は足を運んでみていただきたい。
スープカレー ポニピリカ 町田店
所在地:神奈川県相模原市南区上鶴間本町4-34-7
電話番号:0428-51-5708
営業時間:12:00~15:00(L.O.)、17:00~22:00(L.O.21:30)
定休日:火曜日
http://www.localplace.jp/t200188852/