京極かねよ
大正初期に創業し、現在も当時と変わらぬ建物で営業する「京極かねよ」。6代目が取り仕切る今、「京極かねよ」の看板は店内で月に一度開催される、その名も「かねよ寄席」。著名なはなし家の寄席を楽しみながら鰻に舌鼓を打つ。まさに「京極かねよ」でしか体験できない粋な時間である。
31年目になる「かねよ寄席」のきっかけは、現在の6代目が先代 桂歌之介との縁からである。当時は寄席小屋が映画館に変貌していった時期、そんな折、「小さな2階席で良かったら」と場所を提供したのがきっかけである。演者のギャラは丼ひとつについて何割と決まっている。したがって、丼が出ない日にギャラは出ないという、なかなかシビアな取り決めなのである。
さて、食べ物の話は名物の「きんし丼」である。鰻の丼の上に器からはみ出すほどの京風卵焼きで蓋をする。何かのシャレのようなこの見た目は熱々の丼の保温効果もある。卵が贅沢品だった当時、高級な鰻と卵を少しでも長く保温することが目的で始まったそうである。
そのまま出汁巻きを乗せないのは手抜きと思われないため。この「きんし丼」は卵を焼くのに意外と手間がかかる。しかし提供するのに絶対に崩せないスタイル。お客が多い時にはお待たせしてしまうことがあるのも悪しからず。
京極かねよ
所在地:京都府京都市中京区六角通新京極東入ル松ヶ枝町456
電話番号:075-221-0669
営業時間:11:30~21:00(L.O.20:30)
定休日:年中無休
http://www.kyogokukaneyo.co.jp/index.htm..