2020年、東京オリンピック開催決定で街選びはどう変わる?

2020年に東京で二度目のオリンピックが開催されることが決定し、大きな話題を呼んでいます。停滞感が漂っていた日本全体の雰囲気を盛り上げてくれる明るいニュースですね。では、オリンピック開催によって住宅選び、街選びは影響を受けるのでしょうか? いくつかの視点から考えてみましょう。

臨海部への注目が集まり、人気が一層高まるか!?

オリンピックの競技会場は東京都心部を中心にした「ヘリテッジゾーン」と、東京湾の臨海部を中心にした「東京ベイゾーン」に分けて設けられる予定です。都市開発や住宅供給の観点から注目を集めるのは臨海部だといえるでしょう。いくつもの競技会場が新設もしくは大幅改修されるほか、晴海ふ頭には世界中のアスリートの宿泊施設となる「オリンピック選手村」が建設されます。ここには1万7000台のベッドが用意され、食事やトレーニング施設を含めて快適な居住ゾーンとなる計画です。また宿泊施設の一部はオリンピック終了後、住宅として再利用されることが想定されています。各種の施設も含めて、数千人が暮らすことができる「街」が誕生すると考えることができそうです。

あわせて臨海部への交通アクセスの整備もスピードアップしそうです。「ゆりかもめ」の豊洲~勝どき間延伸、地下鉄では有楽町線・豊洲~半蔵門線・住吉間の延伸、道路網の整備、空港アクセスの改善、さらに空港キャパシティの拡充など様々な計画や要望が取りざたされており、オリンピック「ブーム」ともいえそうです。豊洲周辺などは以前からタワーマンション供給が集中しているエリアですが、この先もしばらくは臨海部への注目が高まり、供給される住宅への人気も集まる可能性があります。

街づくりの設計図、「都市計画」をチェックしよう

しかし、こうした開発計画はオリンピック開催が決まったから急に考えられたものではありません。もともと東京都が進める臨海部の都市開発計画があり、粛々と計画が作られ事業が進められているものが大部分なのです。ただ、オリンピック開催決定で2020年に向けてインフラ整備のスピードをあげていく必要が高まり、注目度が上がったということなのです。

都市計画は10年単位の長期的な視点で考えられるもので、その街の未来を左右する場合もあります。住まい選びや街選びを考える際には、こうした都市計画をしっかりと理解しておくことが大切です。住み手にとっては2020年がゴールではありません。その後20年、30年、いや50年と住み続けていくことを考えた街選び、住宅選びの視点を持つことが必要です。

10年後、20年後…未来の姿を想像して、街を選ぼう

競技施設がたくさん設置される臨海部の埋め立て地には、当初から海に森を作るという「海の森(仮称)」構想が立てられていました。オリンピックではマウンテンバイクやクロスカントリー競技の会場として使用されますが、その後は東京湾の真ん中に浮かぶ森として、貴重な緑の空間となるはずです。人の手によって森を作るということは、何十年もの年月が必要となる大変な事業ですが、緑を生み出した先行例もあります。たとえば1970年に大阪万国博覧会が行なわれ各国のパビリオンが建ち並んだ会場跡地は、万博記念公園として40年あまりの歳月をかけて深い森に覆われています。都市インフラの整備も重要ですが、こうした緑の環境整備が進むことで街としての価値は一層高まっていくと思われます。

選ぶのは「今」、ですがその場所での暮らしは20年、30年と続けていくものです。7年後のオリンピックを意識した街選びというよりは、その後数十年でどう変わっていくのか、自分なりに情報を集めて予測して行くことが大切だといえるのでしょう。

●東京都港湾局 臨海副都心 計画について

http://www.kouwan.metro.tokyo.jp/rinkai/

●東京都港湾局 「海の森(仮称)」構想 答申

http://www.kouwan.metro.tokyo.jp/jigyo/plan/uminomori/index.html

●東京都江東区 都市計画マスタープラン

http://www.city.koto.lg.jp/kusei/keikaku/52792/7709.html