東日本大震災のあった2011（平成23）年、パリでの洋菓子店の開業を目指していたパティシエ・池田氏が、生まれ故郷の仙台で自分のお菓子を食べてもらおうと心機一転してオープンさせた仙台・南町通の「kazunori ikeda individuel」。当時、地方都市では本格的なフランス料理は受け入れられないと言われていたが、それには屈せず、パリの街で表現しようと思っていたことをそのまま仙台の街に持ち込んだ。そうして、ジンクスを打ち破り、見事、本格的フランス菓子を根付かせたのだ。

コンセプトは『PASSION! NOUVEAU! SURPRISE!』、つまり『情熱！斬新！驚き！』。粉や乳製品、最高品質のクーベルチュールなど上質な素材にこだわり、フレグランスのような香しいフレーバーや摘みたて果実のようなフレッシュ感を引き出し、最新モードを着こなしたようなカラーとフォルムに仕上げる。そこには計り知れないほどの情熱を注ぎ、味も見た目も斬新、「kazunori ikeda individuel」のお菓子と出会った人には驚きが訪れる、ということだろうか。

店内に並ぶのは、フランス伝統の製法を大切にし、かつ、池田氏独自の創造性を加えたお菓子の数々。店名である「individuel（アンディヴィデュエル）」とはフランスでプチガトーのことで、店の看板とも言える小さなケーキの中には池田氏の世界感が凝縮されている。そして、それらをベースに大きなサイズにデコレーションした“アントルメ”は特別な日を飾るに最高のフォルムだ。

そのほかにも、パリ時代に徹底的に仕込まれたフレンチメレンゲでつくるマカロン、素材によって絶妙なバランスで混ぜ合わせタイミング良く焼き上げたクッキー、フランスで昔から作られている家庭のお菓子であるカヌレやクロワッサンなど、どれも池田氏の情熱が一心に注がれている。

店内併設のサロンでは、ショーケースに並ぶお菓子をドリンクと一緒にいただくことができる。真っ白なインテリアに包まれたカウンターに座ると、まるで会員制サロンにいるかのよう。仙台のとある一角に、池田シェフのパリでの情熱がそのまま持ち込まれているのが伝わって来る。

kazunori ikeda individuel 南町通店
所在地：宮城県仙台市青葉区一番町2-3-8 
電話番号：022-748-7411
営業時間：11:00～20:00（土曜日は10:00から、日曜日は10:00～19:00）
定休日：元旦
https://www.kazunoriikeda.com/