「上尾」駅から徒歩約7分、並木通り沿いにあるパティスリー。煉瓦で造られた、異国を思わせる温かみある外観が印象的なお店で、通りがかりに思わず気になる人も多いだろう。店内に入ると、落ち着きがありながらも少しポップでアメリカンな雰囲気が何とも魅力的で、いるだけてちょっとワクワクとした気分になる。

入ると目の前に現れるショーケースにズラリと並ぶのは、色とりどりの華やかなアート作品のようなケーキの数々。定番から初めて出会う素材や組み合わせのケーキまで、魅力的なケーキの取り揃えに選ぶのにも思わず迷ってしまう。そんなお店を運営するのは、パティシエの髙橋秀樹さん。もともと料理人だった髙橋さんはデザート作りを通して、シンプルな素材でも配合の違いによって味わいがまったく変わることに魅了され、この世界に入ったという経緯を持つ。独学、そして複数の勤め先で出会った師匠から菓子作りを学び、編み出してきたオリジナリティ溢れるお菓子は、いつしか数々のコンクールで賞を獲るほどになった。

素材や作り方はもちろんだが、美味しさをキープするために当店が一貫しているこだわりは鮮度。店内奥の厨房で作ったできたてをできるだけスピーディーに提供するよう努めているのだという。また、「価格以上の価値のあるもの」と言い切れる程、素材は吟味して良質だと見極めたもののみを使用。さらに、料理人スタートで独自のルートで修業を重ねてきたからこそ、見た目、味の組み合わせ等、ジャンルに捉われない店主の発想が何よりもこだわりであり、同時に当店のオリジナリティを際立たせている。

そんなハイレベルなお菓子の中でも特におすすめしたいのが、「アンナトルテ」と「カリブ」。アンナトルテはウィーンを代表する伝統菓子で、当店では世界でもその味わいに定評があるエクアドル産のPACARIのチョコレートを贅沢に使用。他ではなかなか体験できない、濃厚なチョコレートの口どけと味わいが特徴の逸品だ。また、カリブはバナナとチョコレート、そこにコーヒーのほろ苦さが加わって絶妙なハーモニーを生み出している一品で、コンクールでの優勝歴を持つお店を代表する商品の一つ。

こうした生菓子の他にも店内には、フィナンシェやクッキーといった焼菓子、チョコレート、マカロンなど、一品一品丁寧に作られた菓子が並んでいる。そんな中でも目を引くのが、お店オリジナルのキャラメルポップコーンだ。約160度に煮詰めたキャラメルにポップコーンを混ぜて作るというポップコーンは、他店では味わえないと店主も自負する自信作。店名「アルブリエ」は髙橋さんがフランス語を組み合わせて作った造語で、“輝く樹”という意味がある。そこには、「地域のシンボルのような存在になれたら」という髙橋さんの想いが込められている。オープンから4年目となる今、その大樹はさらに広く深く根づきつつある。

パティスリー アルブリエ
所在地：埼玉県上尾市柏座2-2-23 成和ビル 1F
電話番号：048-788-2736
営業時間 11:00～19:00
定休日：火曜日、水曜日（不定休）
https://www.arbriller.jp/