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有職組紐 道明

上野・池之端に拠点を構える「道明」の社屋は2016(平成28)年2月に完成した。細長のモダンな外観だが、創業は1652(承応元)年まで遡るという老舗企業だ。「道明」は糸商として生業をつづけてきたことは分かっているそうだが、江戸の大火、関東大震災、空襲などにより詳細な記録は残されていない。

「道明」は組紐の専門店だ。和装が身近な者であればよく知るものかもしれないが、そうでない者にとっては、なかなかイメージすることは難しいだろう。組紐の歴史は大変古く、仏教とともに大陸から伝来したものとされる。組み方の名称である奈良組、笹浪組(ささなみぐみ)、安田組(あんだぐみ)、唐組(からくみ)などは「正倉院」と「法隆寺」にも伝えられている。

そうした伝統工芸としての価値だけでなく、伸縮性に富んで“締めやすいのに解けづらい”という特性がある組紐。刀の下緒・柄糸に用いられてきたが、明治時代の廃刀令により需要がなくなってしまう。この時期に、帯締として組紐が使われるようになり、再び実用的な工芸品として重宝されることとなった。

現在、「道明」では500種類近くを常時用意している。季節感を大切にする着物の装いに合わせ、夏であれば涼やかなもの、冬であれば温かみのある色合いを並べている。いずれも自社職人のよる手染・手組だ。手仕事ならではの程よい伸縮性と、機械組では醸し出されない温かみがそこにはある。

一方で、手組にこだわるということは、それに伴う困難とも向き合わなくてはならない。素材・道具が入手しづらくなったことや、技術を継承していくことも今後の課題だ。「道明」では、古い組紐の調査・研究を手がけ、色彩の再現や、失われた技術の復刻、保存活動もしている。

受け継がれてきたものだけでなく、時代に合わせて組紐によるネクタイも手がけている。デザイン性・機能性に優れていることはもちろんだが、気軽に日本固有の伝統工芸品を身につけられることが嬉しい。

有職組紐 道明
所在地:東京都台東区上野2-11-1 
電話番号:03-3831-3773
営業時間:10:30〜18:30、日曜・祝日 〜17:00
http://www.kdomyo.com/index.html




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