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昭和の路地と座敷が商業施設に蘇る

上野桜木あたり

「上野桜木あたり」は2015(平成27)年3月にオープン。中心となる3つの建物は、1939(昭和13)年に建てられた三軒家だ。文化財として認知されていることから明治・大正期の建物は数多く現存するが、昭和期の、それも長屋風の建物となると数は少なくなる。そんな三軒家の土地・建物を所有する「塚越商事」は一時、建替えや駐車場化の検討もしていたそう。しかし価値ある建物を後世に残したいという声が多かったことから、この三軒家を地域コミュニティのなかで活かしていくことを決めた。

「VANER(ヴァーネル)」「おしおりーぶ」が入居する「あたり2」
「VANER(ヴァーネル)」「おしおりーぶ」が入居する「あたり2」
ここでしか飲めないクラフトビールが人気の「谷中ビアホール」
ここでしか飲めないクラフトビールが人気の「谷中ビアホール」

「塚越商事」と「NPOたいとう歴史都市研究会」そして地域の住民たちによりプロジェクトはスタート。”上野桜木に培われた丁寧な暮らしを呼び起こし、また生み出し、一帯に広がることを願って”「上野桜木あたり」と名付けられた。

1938(昭和13)年築の古民家を活用・再生した
1938(昭和13)年築の古民家を活用・再生した

春には桜が咲き誇る「谷中霊園」の南。言問通りにぶつかる都道452号線から1本入ると、正面に趣のある建物とのぼりが見える。入口右手に見えるのは「谷中ビアホール」の入居する建物「あたり1」。ここでしか飲めない谷中ビールを中心に、常時8種類のクラフトビールが味わうことができる。土鍋で調理したおつまみとの相性も抜群だ。1階・2階のほか風を感じられるテラス席も。昭和建築の中でゆったりと過ごす時間についつい長いしそうになる。

様々なビールを飲み比べできるセットも
様々なビールを飲み比べできるセットも

あたり1~3と名付けられた建物をつなぐのが入口からまっすぐに続く「みんなのろじ」。通常時はベンチなどが置かれ、テイクアウトのものを味わったり、写真を撮ったりと思い思いに過ごす場であり、イベント利用もされる交流の場でもある。
「みんなのろじ」を進むんでいくと左右に2つの建物が現れる。右の「あたり2」には、ノルウェーで収穫された小麦をストーンミルで挽き、天然酵母で発酵させた風味豊かなパンを販売している「VANER(ヴァーネル)」と、塩とオリーブオイルの専門店「おしおりーぶ」が入居。世界各国から集められた塩・オリーブオイル・ビネガーで、オリジナルドレッシングをつくろうというのが同店のコンセプトだ。ドリンクやアルコールのテイクアウトも行っているので、「みんなのろじ」で味わうのもいいだろう。

「VANER(ヴァーネル)」
「VANER(ヴァーネル)」
香ばしい匂いが広がっている
香ばしい匂いが広がっている
「おしおりーぶ」の商品はママ会のお土産やプレゼントにもぴったり
「おしおりーぶ」の商品はママ会のお土産やプレゼントにもぴったり
様々な商品はすべて試食できる
様々な商品はすべて試食できる

一方、左の建物「あたり3」にあるのは「みんなのざしき」と名付けられたスペース。ワークショップ、交流会、小規模なパーティ、ヨガ、展示会の会場として利用できる。もともと茶室として使われていた座敷ということもあり、お茶会などでも利用可能だ。

「みんなのざしき」
「みんなのざしき」
どこか懐かしい空間に過ごす時間もゆったりと感じられる
どこか懐かしい空間に過ごす時間もゆったりと感じられる

昭和初期に建てられた木造建築ならではの大らかさと味わいを、ぜひここで体験してほしい。ガラスケース越しに眺める文化財ではなく、開かれた空間として利用し、活かしながら遺すことを実践している「上野桜木あたり」。立地も、谷根千エリアと上野エリアの真ん中、上野桜木という土地にあり、周辺を散策する人もふらっと立ち寄れる。海外からの観光客も多く、地域だけでなく世界にも開かれていることが窺える。

3つの家が重なり合うようなロゴマークに、近江商人の商売哲学「三方良し」がふと浮かんだ。この空間がひろげ・つなげる輪に加わってみたい、と思わされる場所だ。

上野桜木あたり
所在地:東京都台東区上野桜木2-15-6 
営業時間:店舗により異なる
定休日:店舗により異なる
https://uenosakuragiatari.jp/




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