旧白洲邸 武相荘
「旧白洲邸 武相荘」は明治時代に実業家の白洲次郎と随筆家の妻・正子の二人が移り住み、生涯を通して愛した茅葺き屋根の邸宅。中でも2015(平成27)年1月オープンしたレストラン&バーは建物やお庭の雰囲気を楽しみながら食事ができる落ち着いた空間で魅力的だ。気軽に寄れるランチタイムと、完全予約制のディナータイムがある。
ランチの人気メニューは白洲家のレシピを再現した「武相荘カレー」だ。白州正子の叔父がシンガポールで出会ったカレーは、やがて白州家のカレーとして定着。シェフによると、「野菜嫌いだった白洲次郎は、カレーをかけるとその野菜を食べたそうです」とのこと。そのエピソードにちなんで生キャベツが添えられている。ショップで販売している武相荘カレーのテイクアウト商品は手土産にぴったりだ。
白洲次郎の大好物だった「次郎の親子どん」もランチの人気メニュー。白洲次郎のこだわりは器にもあり、伊賀から仕入れた器を愛用。お店では、当時と変わらない器を使っている。食後は、どらやきやタルトなどでカフェタイムを満喫。珈琲と紅茶、生ビールやグラスワインもある。
ディナータイムはフランス料理のフルコースを味わえる。前菜から魚料理や肉料理、最後のドルチェまで格別の味わいで、大満足の贅沢なコースだ。1日3組ほどの予約制なので、記念日のディナーに予約してもいいかもしれない。
店内は当時の面影が残され、木の温もりに包まれた落ち着いた雰囲気。庭を眺めて季節の移ろいを感じながら、美味しい食事を楽しめる。「春先の新芽が顔を出した頃や、12月初めの紅葉の季節は絶景です。あまり知られていませんが冬の雪景色も綺麗ですよ」とシェフが教えてくれた。
白洲次郎は戦後の混乱期においてGHQから「従順ならざる唯一の日本人」と評されたエピソードは有名。そんな白州次郎の生き様が、残された武相荘から垣間見える。レストランに隣接する有料ミュージアムでは、白洲次郎の遺言書や愛用品の数々が展示されている。
旧白洲邸 武相荘
所在地:東京都町田市能ヶ谷7-3-2
電話番号:042-735-5732(ミュージアム)、042-708-8633(レストラン)
開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日(祝日・振替休日時は開館)、夏季・冬季休館あり
https://buaiso.com/