都立石神井公園
公益財団法人東京都公園協会が運営・管理する都立公園の一つ「石神井公園」は、東側の「石神井池」と西側の「三宝寺池」、2つの池が東西に広がり、公園を含む周辺の区域も、環境や景観を保持するための風致地区に指定されているエリアだ。
「石神井池」は周辺地域では「ボート池」とも呼ばれており、西武池袋線「石神井公園」駅から徒歩約7分の場所にボート乗り場が設けられている。池の外周は中之島を起・終点に、約1,750メートルの「おしどりコース」という練馬区ランニング走路になっている。「ボート池」の南西部には三澤憲司作のモニュメントや野外ステージがあり、この屋外ステージでは毎年恒例の区民イベント「照姫まつり」のフィナーレにも使用されている。
一方、「三宝寺池」は、武蔵野の面影を残す雑木林や石神井城跡の森、野鳥誘致林などに囲まれた緑豊かな公園となっている。バス通り近くの木陰には、横渡りパイプやうんてい、4点ハードル、ミニロープ―ウェイなどの「アスレチック広場」が設けられ、子どもたちが自然の中で存分に遊べる環境となっている。バス通りからも近く、勾配差もほとんどない、明るい場所にあるので、子どもでも安心だ。
「石神井池」が人工池なのに対して、「三宝寺池」は湧水池。「井の頭池」「善福寺池」と並ぶ“武蔵野三大湧水池”の一つで、氷河期から生息してきた湿生植物は「沼沢植物群落」として国の天然記念物に指定された。木道の散策路や池周辺に設けられたベンチから、そうした自然豊かな風景が眺められる。冬は渡り鳥も飛来し、バードウォッチングやめずらしい鳥を撮影する目的で公園に訪れる人も少なくない。
さらに、「三宝寺池」は歴史散策も楽しめる。池南側の石神井城跡は、室町時代、太田道灌に攻め滅ぼされたが、今も土塁や空堀などの遺構が残されている。落城時の城主だった豊島泰経の娘・照姫が池に入水した伝説は、「石神井池」周辺を武者行列する「照姫まつり」として語り継がれている。
「三宝寺池」北側の高台には「殿塚」「姫塚」も祀られている。「三宝寺池」の南西部には「厳島神社」「水神社」「穴弁天」などもあり、歴史的興味も尽きない。訪れる人の興味によって異なる楽しみ方ができる点も、この公園の魅力と言えるのではないだろうか。
都立石神井公園
所在地:東京都練馬区石神井台1・2、石神井町5
http://www.tokyo-park.or.jp/park/format/..