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スペシャルインタビュー

アートが身近にある日常を楽しむ「かながわアートホール」

広大な敷地をほこり、桜の名所としても知られる「保土ケ谷公園」。その「保土ケ谷公園」に「かながわアートホール」が開館したのは1992(平成4)年4月のことだ。「神奈川フィルハーモニー管弦楽団」の練習場としても使われており、リハーサルを観覧できる見学ギャラリーも併設。誰もが身近に芸術と触れ合える場を提供している「(公財)神奈川フィルハーモニー管弦楽団」アートホール事業部主任の山下さんに、お話を伺ってきた。

もっとクラシック音楽が身近になるように

―まずは「かながわアートホール」の沿革と施設概要から聞かせてください。

県民・市民の芸術活動をサポートする施設として、1992(平成4)年4月に開館しました。最大300人を収容できるホールのほかに、練習スタジオが大小5部屋。それと音楽情報コーナー、見学ギャラリー、レストランなどがあります。ホールの舞台部分は昇降式で、客席も可動式になっているので450平方メートルの平面空間を確保することができ、マーチングバンドの練習や社交ダンスにも使用できます。また、当ホールは「神奈川フィルハーモニー管弦楽団(以下、神奈川フィル)」の練習場としても利用されるのですが、そのリハーサル光景を見学ギャラリーから観覧できます。

「保土ケ谷公園」内にある「かながわアートホール」
「保土ケ谷公園」内にある「かながわアートホール」
幅広い文化活動に利用できる昇降式・可動式のホール
幅広い文化活動に利用できる昇降式・可動式のホール
練習に使えるスタジオ
練習に使えるスタジオ

―その見学ギャラリーについて少し詳しく教えていただけますか?

本番当日のリハーサルを公開したり、年に数回リハーサルを公開しているオーケストラはありますが、月に数回のペースで一般公開しているオーケストラは少ないと思います。曲が仕上がっていく過程を体感できますし、またクラシック音楽にあまり関心のない方でも、私服姿の団員を通して、オーケストラの異なる一面を楽しんでいただけるのではないかと思います。指揮者の指示した言葉など、もっと明瞭に聞き取りたいという方のために、ヘッドフォンの貸出もしております。アートホールにお越しになったことをきっかけに、クラシック音楽や神奈川フィルを身近に感じていただけると嬉しいですね。

神奈川フィルのリハーサル風景
神奈川フィルのリハーサル風景
本番とは異なる団員の姿を見てもっとクラシックを身近に感じられる
本番とは異なる団員の姿を見てもっとクラシックを身近に感じられる
見学は自由。ヘッドフォンの貸し出しも行っている
見学は自由。ヘッドフォンの貸し出しも行っている

次世代を担う子どもたちへ

―「神奈川フィル」では、教育施設での芸術体験を含め、地域と連携した取り組みもされているそうですね。

次世代を担う子どもたちに対する音楽教育事業は、我々も力を入れて取り組んでいます。そのひとつが「ゆめコンサート」です。これは県内の小学校を訪問し、オーケストラの演奏を聴いてもらうだけでなく、子どもたちはオーケストラと共演もします。団員による事前指導を経て、最終的にひとつの音楽を生み出すというわけです。また、県内の特別支援学校などに赴く「ボランティア演奏会」もしています。

それ以外では、全国の小中学校の体育館で毎年20回以上演奏する文化庁主催の「次代を担う優れた舞台芸術体験事業」や、市立小学校、特別支援学校等の4~6年生のうち1学年を「横浜みなとみらいホール」に招待する「心の教育ふれあいコンサート」にも出演しています。

「心の教育ふれあいコンサート」の様子
「心の教育ふれあいコンサート」の様子

―主催されている「みんなの音楽プロジェクト」についてですが、どのような経緯で始まったのでしょうか。

神奈川フィルは昨年から指定管理者の一員として運営にも関わるようになりました。そこで、神奈川フィルの特色をいかした企画を行おうと立ち上げたのが「みんなの音楽プロジェクト」です。今年の8月には楽器に触れたことが無い方でも楽しめるイベントとして「アートホール・オープンデイ」を開催し、ヴァイオリン、トランペット、ドラムなどの楽器体験や神奈川フィルメンバーによるトークショー、コンサートなどを開催しました。また、12月からは「神奈川フィル・ジュニアオーケストラ」も始動します。小学4年生~高校3年生の子どもたちに参加してもらい、神奈川フィルメンバーによる指導を経て、来年1月に共演コンサートを開催します。

―「かながわアートホール」から街の皆さんへ、メッセージをいただけますか?

「保土ケ谷公園」は知っていても、「かながわアートホール」に行ったことがないという方は意外に多いので、身近に芸術と触れ合える施設があるということを、ぜひ知っていただければと思います。低料金で借りられる練習スタジオでは、気兼ねなく音出しができますし、未就学児でもクラシック音楽に触れられる見学ギャラリーもあります。散歩コースのなかに、当ホールを組み込んでいただけるとありがたいですね。

第一スタジオで練習をする市民団体
第一スタジオで練習をする市民団体
練習風景
練習風景
練習風景
練習風景
クラシックを気軽に生活に取り入れられる環境がある
クラシックを気軽に生活に取り入れられる環境がある

―最後になりますが、「かながわアートホール」周辺の住環境について聞かせていただけますか?

やはり「保土ケ谷公園」の存在は大きいと思います。スポーツを楽しむだけでなく植栽も豊富なので、園内を歩くだけで清々しい気持ちになります。また、「保土ケ谷公園」は梅や桜の名所でもありますから、春の訪れとともに多くの方が見物に来られます。それ以外では、自治会活動も盛んだなといった印象もあります。新しく移り住まれる方の多い街ですが、一方で、住宅地として受け継がれてきたその歴史を、街の落ち着きのなかに見出だせるような気がします。

今回、お話を伺った方

(公財)神奈川フィルハーモニー管弦楽団 アートホール事業部 主任 山下さん
(公財)神奈川フィルハーモニー管弦楽団 アートホール事業部 主任 山下さん

※2016(平成28)年10月実施の取材にもとづいた内容です。記載している情報については、今後変わる場合がございます。

アートが身近にある日常を楽しむ「かながわアートホール」
所在地:神奈川県横浜市保土ケ谷区花見台4-2 (県立保土ケ谷公園内)
電話番号:045-341-7657
開館時間:9:00~21:00(受付時間 9:00~17:00)
休館日:年末年始(12/28~1/4)※月に1回施設点検あり
指定管理者:公益財団法人神奈川フィルハーモニー管弦楽団グループ(公益財団法人神奈川フィルハーモニー管弦楽団・株式会社横浜アーチスト)
https://www.kanagawa-arthall.jp/

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