青葉区地域子育て支援拠点 ラフール インタビュー
登録・利用無料で気軽に立ち寄れる子育てスポット!
プロのアドバイスやママたちとの交流会で、子育ての悩みも無用
青葉区地域子育て支援拠点ラフール
施設長 山田範子さん
「青葉台」駅から徒歩3分。青葉消防署青葉台出張所複合施設の6階にある「青葉区地域子育て支援拠点 ラフール」は、青葉区とNPO法人ワーカーズ・コレクティブパレットが協働で運営をしている子育て支援拠点。中に入るとスタッフがあたたかく迎えてくれて、子育て中のお母さんがほっとできる空間が広がっている。赤ちゃんコーナーと、2~3才児が遊べるスペースに分かれていて、子どもたちが思い思いのおもちゃや絵本などで遊んでいる。施設のテラスも使用することができ、春はお花見ランチをしたり、夏にはプールをしたりと楽しい行事も盛りだくさん。そんなラフールについて施設長の山田範子さんにお話を伺いました。
まずはじめに、「ラフール」の概要について教えてください。
2011(平成23)年8月にオープンした「ラフール」は、NPO法人ワーカーズ・コレクティブパレットが区と協働で運営をしている青葉区の地域子育て支援拠点で、地域子育て支援拠点は横浜市が各区に一カ所ずつ設置している施設です。そのため、「青葉台」駅周辺だけではなく、青葉区全域を見渡して事業を行っています。初めてご利用される方は登録が必要になりますが、登録料も利用料も無料で気軽に立ち寄ることができます。「ラフール」という名前は区民の公募で選ばれました。当時の小学生が、「笑顔が(ラフ)満ちる(フル)」という意味でつけてくれました。
運営する上で大切にしている点について教えてください。
対象は0才から未就学児とそのご家族、妊婦さんとその家族、そして子育て支援に関わる方々で、その方達が気軽に子育ての悩みを相談できるような施設にしたいと思っています。子育てについて「こんなことを聞いてみたいな」と思う方が安心して訪れることができ、自分らしさを大切にしながら、子育てに自信を持って、「ラフール」を卒業してほしいと考えています。初めて子育てされる方は不安も大きいでしょうし、わからないことも多いと思いますが、そのような方が何でも聞ける場を目指しているので、どなたでも来て頂きたいと思っています。
10代のお母さんもいれば30代、40代で初めて出産される方もいらっしゃいます。来られる方の中には、ひとりで子育てをしている方や、日本で子育てをしている外国の方もいます。そういう面でも、「こうでなければいけない」という固定概念を無くして、どなたでも気軽に来られる環境づくりに努めています。国によってさまざまな文化があるのと同じように、子育て方法も国によってさまざまです。食べ物や着る物、離乳食も全然違います。けれどやり方は一つではないので、その国のやり方も取り入れながら、多様に受け入れていきたいと思っています。
利用状況や「ラフール」の雰囲気についても教えてください。
2014(平成26)年データですが、開所日数は246日、利用者数は延べ42743人、一日平均利用者数は173.8人、プレママ141人、プレパパ129人、祖父母452人でした。お子さんの75%が0歳児と1歳児でした。
初めて来られる方の中には、緊張している方もいらっしゃいますが、何度か来られるうちに先輩になり、過ごし方もお子さんの遊び方も変化していきます。スタッフにはいろいろな立場の方がいるので、その点も、利用者の方々にとって、安心するポイントではないでしょうか。「青葉区を子育てしやすい街にしたい」というのが法人のモットーで、スタッフの他にも地域の方や大学生でボランティアをしたい方など、スタッフの仕事をサポートして下さる方も沢山いらっしゃいます。
イベントも行っているのでしょうか。
大がかりなイベントは開催していませんが、日本の行事を大事にしたいと、ひな祭りや七夕、節分などを取り入れたり、年に2回「ラフリンピック」という運動会ごっごで、みんなで玉入れをしたりと、親子で楽しめるイベントも開催しています。「運動会」という演目にするだけで、普段仕事で子ども達と遊ぶ機会が少ないお父さんも一緒に取り組むことができます。また準備もスタッフだけでなく、参加者の方々とも協力しながら一緒に作り上げていくので、当日に向けても仲が深まっていきます。2015(平成27)年12月26日はみんなで大掃除ごっこを行う予定です。小さい雑巾を持って、3才児、4才児が床などを拭いていると、1歳の子もマネしてやってみたりと、遊びながら、やり方を身につけています。施設には、テラスもあるので夏はビニールプールを出して水遊びをしたり、四季を通じて活用しています。春はお花見ランチをしたり、スポーツの秋には簡単なスポーツをしたりと、親御さんも体を動かし、リフレッシュしています。
ママ・パパ同士や、地域の方とのつながりや支え合いを生み出すために、どのような工夫をされていますか。
初めて来られた時、皆さん緊張している様子なのですが、ちょっとした広場のお手伝いをしてもらうことで、見方が変ってきます。そして、初めての方が来られると、スタッフのように施設内や仕組みを案内してくれたりと活躍してくださっています。そういった点でも、「ラフール」では、お母さん方にお任せしている部分もいくつかあります。ラフールニュースのデザインやイラスト、お便りの記事もお母さん方にお願いしています。ラフールのマークも若い子育て世代の方々が編集チームを作って取り組んでくれたり、ホームページの作成や、その後の更新作業もやってくれています。私たちだけのスキルではできなかったことを、お母さん方の力を借りて、実現できています。
先日は、広場ゲストに主任児童委員の方に来て頂いて、「こういう仕事をしています」と話をして頂きました。そうすることで、それぞれの地域に主任児童委員(※児童委員:地域の子どもたちが元気に安心して暮らせるように、子どもたちを見守り、子育ての不安や妊娠中の心配ごとなどの相談・支援等を行う者)がいて、迷ったときは何でも相談して構わないということを子育て世代に伝えることができます。「地域にもこのような子育てひろばや公園など、楽しめたり、ためになる場所が沢山あるので、そのような場所にも足を伸ばしてくださいね。」と伝えています。
今後の展望や目標について教えてください。
現在、区民の子育て世代で約8割がラフールを知っていると答えて下さっていますが、子育て世代に限らず、どれだけの方が「ラフール」を周知しているのかと考えたとき、知らない方が多い現状です。もっと、もっと活動を区民の方々に知って頂けるような機会を設けて、「ラフール」という拠点を伝えていきたいと思います。
また、大学生は実習などで来てくれているのですが、是非、中高生にも来てほしいと考えています。先日、地域の民生委員の方が中学生を15人連れて来てくれました。いろいろな話をしてから、3kgの赤ちゃん人形をみんなに抱っこしてもらった時、中学生が赤ちゃんを抱いたら顔が和らぎ、隣の人に、とても慎重に手渡ししていました。この効果は、赤ちゃんが持つ力だと思うんです。中学生の時期は、反抗期で難しい時期でもありますよね。家ではあまり話もしないかもしれません。けれど、「みんなお母さんのお腹から生まれてきたんだよ」と、伝えることができ、産まれてきた赤ちゃんをここまで大きく育ててもらったことや、命の大切さを感じることができます。自分を振り返り、親がどれほどの愛情をもって子どもに接しているのかを知ってもらう、そういうことはとても大切だと思っています。今後もこのような機会を増やしていきたいですね。
青葉台エリアの住みやすさや、子育て環境の魅力について教えて下さい。
青葉区は公園がとても多いです。色んな公園があり、どれもおすすめスポットですね。青葉区長が、青葉区の目標として「住み続けたい街青葉区」を掲げています。「ラフール」で活動する私たちも似ていて、「子育てしやすい街にしたい」という理念で取り組んでいます。そのような目標に向けて、街が一体となり、努力しているんだと思います。
青葉区の年間に生まれる赤ちゃんは約2,600名です。横浜市全体で見ても北部エリアはまだまだ赤ちゃんが生まれている街です。横浜市はNPOの活動も盛んですし、色んな支援の活動はたくさんあります。行き場所や預けることができる場所もありますし、子育て支援が充実した街だと思います。
今回、話を聞いた人
青葉区地域子育て支援拠点ラフール
施設長 山田範子さん
青葉区地域子育て支援拠点 ラフール インタビュー
所在地:神奈川県横浜市青葉区青葉台1-4 6F
電話番号:045-981-3306
広場利用時間:10:00~16:00
休所日:月・日曜日(月曜が祝日の場合は翌火曜日)、祝日、年末年始
https://lafull.net/