HOME >  神奈川県エリア  >  横浜市 横浜市戸塚区 子育て  >  横浜市立戸塚小学校 インタビュー

区内で最も歴史のある小学校

横浜市立戸塚小学校 インタビュー

横浜市立戸塚小学校
校長 伊藤法彦 先生

古さと新しさが融合した街で
ふれあいを大切にした教育を推進

古くは東海道の宿場町として栄え、昨今は駅周辺の大開発で大型商業施設がオープンするなど、新旧で魅力的な顔を持つ戸塚エリア。「戸塚」駅西口から徒歩7分の「横浜市立戸塚小学校」は市街地にありながら、桜並木が美しい柏尾川がすぐそばを流れ、落ち着いた学習環境にも恵まれた1873(明治6)年創立の伝統校だ。生徒数の急増を受け、大規模な増改築工事によりさらに充実した学校に生まれ変わろうとしている同校で、36代目の校長である伊藤法彦先生にお話を伺った。

昨年創立140周年を迎えられた伝統校である戸塚小では、どのように子どもたちを指導していらっしゃいますか?

横浜市立戸塚小学校

明治時代創立の本校には明治天皇ゆかりの石碑、当時のお金や地図など貴重な品が数多く残されています。そうした歴史をふまえ、本校ではきちんとした挨拶など、日常生活の決まりごとを示した“戸塚小スタンダード”に沿って指導を行っています。本校の学校経営は各学級の担任が学年全体の担任でもあるという“学年経営”が基本です。1年生には入学から5月の初旬頃まで担任を含む複数の教員が見守って教え、全児童が生活規範を身につけることができるようにしていきます。

横浜市立戸塚小学校

一方、これは教員にとっても指導の基準となるもので、どの先生も子どもに同じ受け答えができるように、標準的な事例を示してあります。新しく赴任されてきた先生方にも“戸塚小スタンダード”を基に、子どもに対応していただいています。

大規模校ならではの魅力や特色はどんな点でしょうか? 今後の児童数の見込みについてもお聞かせだくさい

横浜市立戸塚小学校 インタビュー

2014(平成26)年度は普通学級が各学年4~5クラス、個別支援学級が横浜一大きくて5クラスあり、学級数計32クラスで児童数904人になります。児童数が多いため、学年単位の活動も盛んですし、縦割り活動も活発です。上級生が下級生をリードする兄弟学年が決まっていて、例えば6年生と1年生が一緒に遠足にいったり、集会をしたりしています。少子化で兄弟がいないという子どもたちにとって、縦割りグループで動くことはとても貴重な経験になるのではないでしょうか。

横浜市立戸塚小学校

児童数については、ここ10年ぐらいでかなり増えてきたのが、今後さらに増加すると見込んでいます。「戸塚」駅周辺は百戸単位のマンションが毎年1~2棟建設されている状況です。100戸につき約20~30人のお子さんがいるので、ここ数年の間に生徒数1,000~1,100人ぐらいまで増えると考えています。

今年度から行われている増築・改修工事によって、学校はどのように変わるのでしょうか?

横浜市立戸塚小学校

使用期限を迎えたプレハブ棟を解体し、20学級分の3階建て新校舎を増築して屋上プールを作ります。学校の用地をこれ以上増やせない中、児童数1,200人ぐらいまで収容できるように工事を進めます。また、水道を高架水槽から直結式にして、トイレをすべて洋式化。体育館、理科室、家庭科室、印刷室、保健室、職員室など、ほとんどの教室を改修します。

横浜市立戸塚小学校

普通教室に転用した図書館も復活させ、これまで子どもたちが集まれるようなオープンスペースがなかったので、それも作ります。発表を行うような小集会ができるように、第二音楽室には舞台もつける予定です。
非常に大規模な工事なので、来年の3月までに新校舎を完成させ、5月の運動会の後にプレハブ棟を解体して校地整備を行い、9月半ばぐらいまでにようやくすべての工事の終わりが見えてくるといった感じです。

授業ではどんなことを大切にされていらっしゃいますか?

横浜市立戸塚小学校

今はコミュニケーションが大事で、昔のように先生が一方的に話す授業という時代ではありません。そこで、例えば、6年生の通史の授業ではある年にあったことをただ教えるのではなく、冠位十二階の冠を全部作って子どもたちに被らせてみたり、砂場の砂を運んで前方後円墳を作らせてみるなど、実感を通して子どもたちの学習への関心を引きつけることを大事にしています。

横浜市立戸塚小学校

算数でも、ただ円周率は3.14だと話しても子どもはつまらない。どうしたら面白く思ってもらえるかを考え、校庭いっぱいに円を引いて法則通りの円周の大きさになっているかどうかを実際に子どもに測ってもらう。常にこうした授業をするわけではありませんが、子どもたちの状況によっては注意を引きつけるような支援がすごく大事です。教員を育てるにあたっても、こうした授業をするための引き出しをどれだけ身につけてもらうかを大切にしています。

実績あるクラブ活動やユニークな行事がありましたら、教えてください

横浜市立戸塚小学校

放課後合唱団は70人近い子どもが参加していて、NHK学校音楽コンクールなどで入賞経験があるばかりでなく、いろいろな地域行事に協力しています。小学校ですので、今後は人を選んでコンクールに出場することより、なるべく多くの子どもたちが合唱に参加できる機会を増やしていきたいと思っています。

行事では、本校の歯科校医さんがとても熱心な方で年間10回以上も指導にきてくれているため、歯科衛生士さんが歯磨きの仕方をチェックしてくれる歯磨き大会などの行事が増えています。新校舎の増築で歯磨きの場所が増えれば、こうした活動がもっと活発になると思います。

周辺環境を活かした、あるいは地域と連携して行っている活動はありますか?

学校の近くを流れる柏尾川の桜並木を手入れする“桜セーバー”という市民ボランティア団体がございまして、本校の敷地内に用具をしまう倉庫があり、活動の拠点になっています。3年生の地域学習の時にも、桜セーバーの方に来ていただいています。

横浜市立戸塚小学校

この他にも、植木の選定、PTAのガーデニングボランティア、竹や藁を使って工作する“竹わら細工クラブ”など、いろいろな形で地域の方が学校に関わってくださっています。また、正門前の道路の歩道に花を植えた樽が並んでいますが、これは本校の3年生が必修授業の中で季節の花々を植え替えて水やりをして育てている“花の小道”の活動によるものです。

 

面白い活動としては、「戸塚区総合庁舎」の屋上にある田んぼは戸塚農協、鹿島建設とタイアップして本校の児童がコメ作りをしています。昨年の秋には収穫したコメで餅つき大会も開きました。田植えから精米まで自分たちで行うことで、子どもたちは給食のご飯を一粒一粒大事に食べてくれます。コメ作りの大変さを実感してもらうことがそのまま、食育につながっています。

横浜市立戸塚小学校

戸塚は歴史ある地域なので、多くの町内会が学校と関わってくださっていて、夏祭りの灯篭流しや町内運動会などでは本校が会場となります。また、戸塚区の賀詞交歓会は昔から本校の体育館で行うことが決まっています。体育館が賀詞交歓会の会場に使われているのは、おそらく横浜の学校でも本校だけだと思います。

“親子ふれあいゲーム”という活動があると伺いました

横浜市立戸塚小学校

低・高学年の親子がふれあうPTAとの共催企画です。昨年はPTAと教員、子どもたちがそれぞれチームを作ってドッジボール大会を行った後、お昼にトン汁を食べて午後は講演会を開きました。昨年度は創立140周年ということでさかなクンにも来ていただき、その時描いていただいた絵は職員室前の廊下に張り出してあります。

横浜市立戸塚小学校

大規模校ならではの特色としても申し上げましたが、こうしたふれあい活動はたくさん行っています。もともと戸塚に住んでいらっしゃった保護者と新しくマンションに越されてきた保護者の割合は今、7対3か8対2ぐらいですが、新しく来られたご家庭は一人っ子のお子さんが多い。兄弟のいないお子さんが人とのコミュニケーション力を身につけていただく上で、ふれあい活動がとても大事だと思っています。

学校の今後の方向性・目標などをお聞かせください

横浜市立戸塚小学校

児童数が増えても、それぞれの子どもの状況をふまえて一人ひとりを丁寧に指導できるような学校でありたいと思っています。本校が他校と大きく違うのは、35~45歳の中間の年齢の教員が多いということです。20~50代と、各年代の教師がバランスよく配置されている珍しい学校なので、そうした特徴を活かしてしっかりと学校運営をしていきたいですね。実際に学級崩壊がなく、学力は市や県の全国レベルの平均を上回っていて安定した学校だと思います。

最後に、戸塚エリアの魅力について一言お願いします

横浜市立戸塚小学校インタビュー

駅に近く、便利なわりには自然が残っています。新しいマンションは増えていますが、それぞれ自治がしっかりしていてまとまりのある形で学校と関わってくださっている。住むにも子育てにも向いている地域だと思います。「トツカーナモール」や「戸塚区総合庁舎」など立派な施設ができ、新しい店がどんどん増えているので、昔の戸塚駅を知っている方は駅から本校に来るまでの道でとても驚かれます。その一方で、歴史や昔ながらのお店もしっかりと残っている。新しさと古さがうまく融合している街だなと感じています。

横浜市立戸塚小学校
横浜市立戸塚小学校

今回、話を聞いた人

横浜市立戸塚小学校

校長 伊藤法彦 先生

横浜市立戸塚小学校
住所:横浜市戸塚区戸塚町132
電話番号:045-881-0049
http://www.edu.city.yokohama.jp/sch/es/totsuka/

横浜市立戸塚小学校 インタビュー
所在地:神奈川県横浜市戸塚区戸塚町132 
電話番号:045-881-0049
http://www.edu.city.yokohama.jp/sch/es/t..




PAGE
TOP