新横浜食料品センター
「新横浜」エリアに暮らす際にぜひ覚えておきたい施設がある。JR「新横浜」駅から徒歩8分ほどの場所にある「新横浜食料品センター」だ。住宅街の中にある施設で鰻屋や焼き鳥屋の飲食店、八百屋に魚屋といった食料品店が軒を連ねている。一見すると昭和の良き時代を感じさせる雰囲気だが、この施設が生まれ変わろうとしている。
建築設計を中心に、コンセプト企画から不動産業、施設運営までトータルデザインする“well-doing Company”株式会社ウミネコアーキが「新横浜食料品センター」の動的保存プロジェクトを進行しているのである。そもそも「新横浜食料品センター」は、株式会社ウミネコアーキ代表・若林氏の祖父が56年前に築いた。1964(昭和39)年、新横浜駅に東海道新幹線が開通して間もなく、農業に加えて不動産業を始めた祖父が、この地に新たに移り住む転入者の受け皿となる木賃アパートを建てた。その転入者が生活に困らないように肉屋や八百屋、牛乳屋といった個人商店を集めたのが「新横浜食料品センター」のはじまりだという。
近年は、経年による老朽化のために建て替えの話が上がっていたが、綺麗さっぱり刷新するのではなく、少しずつ、店舗の営業を続けながら、地域と溶け合うように更新していく計画案が進行中。その指揮をとっているのが「株式会社ウミネコアーキ」なのだ。 減築・新築・店舗移転・改修と段階的に遷移するプロセスを導入することで、建築自体は形を変えながら、「新横浜食料品センター」の店舗が休業することはないよう動的に保存する建築を提案している。
このプロジェクトは若手建築家の登竜門といわれる「SDレビュー2022」に入選した。SDレビューとは鹿島出版会の主催する1982(昭和57)年から40年続く歴史ある建築展。過去には安藤忠雄氏や隈研吾氏といった日本の建築界をリードする著名な建築家も出展経験がある。自分の暮らすエリアがどんなふうに進化するのか、今後が楽しみな施設だ。
新横浜食料品センター
所在地:神奈川県横浜市港北区篠原町2803
http://shinyokohama-shokuryohin-center.c..