ニコラス洋菓子店
「いつも元気をもらっているんですよ。どのケーキもこちらに微笑んでくるので、迷っちゃって決められないですね」と店員とのやりとりを楽しみながら商品を選ぶお客の言葉に思わず笑みがこぼれる。「百合ヶ丘駅」前にオープンし、2018(平成30)年で創業50年を迎える「ニコラス洋菓子店」。開店当時はまだケーキが大変なご馳走だったころ。サンタクロースの語源である”セントニコラス”が店名の由来となっていて、”子どもたちを喜ばせるプレゼント”という意味がこめられている。ケーキが身近になった今も地元の住民を笑顔にしている。
看板商品は、「サクセスポテト」と名付けられた”元祖”スイートポテトとも呼べる一品。というのも、実は色々なケーキ店で売られているスイートポテトの形はこの店発祥なのだ。最近ではくるみをたっぷり使った焼き菓子「エンガディナー くるみの丘」も人気で、年間約10万本製造している。生ケーキでは「シュークリーム」「ショートケーキ」「モンブラン」が人気。小さな子どもから年配の方まで多くの人に“分かりやすい”味をテーマにしているのだ。
中でも一押しは、創業当時から配合を一切変えていない「シュークリーム」。生クリームと独自の配合でブレンドしたカスタードクリームは、甘すぎず少し固め。口の中でバニラビーンズがふわっと香り、味に深みのある皮と見事に調和する。長く愛されているのが納得だ。
地域密着型でリピーターも多いので、定期的に訪れるお客にも楽しんでもらえるよう月替りのケーキを6品前後用意している。中には創業当時からの常連もいて、子ども、そして孫世代と3代続いてこちらのお菓子に親しんでいる人もいる。2代目オーナー加藤さんは「創業50年という節目を迎えるにあたり、時代の流行に流されることなく、自分にしかできないスタイルで味を守り続けていきたい」と笑顔で話した。
ニコラス洋菓子店
所在地:神奈川県川崎市麻生区百合丘1-16-18
電話番号:044-966-6254