trattoria Mon GATTO(トラットリア・モンガット)
“モンガット”という店名は、フランス語とイタリア語を掛け合わせた造語で、“私の猫”という意味がある。イタリア料理をベースとしながらも、そこに固執はしない。シェフが美味しいと感じれば、ジャンルの枠をいとも簡単に飛び越える。ジャンルとジャンルとを区切る境界線の美しい曖昧が、「モンガット」の特徴と言えるだろう。
商店街文化が根付く「日吉」駅前、その駅からすぐの通りの2階で店を構える同店。左右の移動は街歩きに組み込まれるが、1階から2階への移動は意味がまた違ってくる。2階ということは気にならなかったどうかをシェフに聞いてみた。「少し気になったのは事実です。でも、そのことが小さく思えてしまうほどに、店を出したときのイメージが明瞭に浮かんでくる場所でした。」
オープンしたのは2014(平成26)年11月。すぐにでも営業したいという気持ちを抑え、3ヶ月近くも掛けて空間づくりをした。テーマは“大人のおもちゃ箱”。シュルレアリスムの世界観を体現したような空間は、料理、サービス、空気感の全てで満足してもらいたいと考える同店には欠かせないものだ。
撮影したのは、ある日のディナーコース。「ウニとコンソメジュレ・有機人参のムース」のアミューズに始まり、「活〆天然真鯛の昆布締めとアナゴのカルピオーネ」、「“空飛ぶ玉ねぎ”の自家製サルッチャ詰めオーブン焼き・エスカルゴバターソース」の前菜2品。
メインの「エゾ鹿のアロースト・葡萄とバルサミコソース」の後は、「ホタルイカ・桜海老・そら豆・からすみのガーリックソーススパゲティ」とつづく。そしてフランス・ヴァローナ社のチョコレートを使用した「ガトーショコラ・バニラアイスクリームと果物」のデザートで締めくくられる。同じ料理でも、ワインとの相性や常連の好みによってアレンジを加えることもあるという。
会話のなかから最良のものを提案できればとの考えから、ワインリストは用意していない。約15種類のグラスワインについても同じことが言える。料理人の兄を見て育ち、自らも同じ道を志したシェフ。夢は到達することではなく、高みを目指して歩み続けること。ただひたすらに料理をつくっていたい――終わりなき道を歩みつづけるシェフを、いつまでもこの街で見ていたい。
trattoria Mon GATTO(トラットリア・モンガット)
所在地:神奈川県横浜市港北区日吉本町1-4-21 三笠会館ビル2F
電話番号:045-565-9702
営業時間:11:30~15:00、18:00~23:00
定休日:不定休/予約のない日
https://www.facebook.com/mongatto/