元祖へっころ谷
小田急江ノ島線「六会日大前」駅から徒歩10分、大通り沿いに佇む、味のある日本家屋の一軒家。隣の窓から、麺を一心に手打ちする職人の姿が見える入口の暖簾をくぐり、店内へ入ると、昔の風情が残る田舎を訪れた時のような安心感に包まれる。
集団就職で上京してきた人達に、自分の田舎に帰ってきたような、ほっとできる気分を味わってほしいと、山梨出身の創業者がお店を開いたのは約40年前。現在、店を営むのは2代目の古屋賢悟氏。ジャンク好き、昼夜逆転の不健康生活を送っていたものの、2006年の結婚を機に店を引き継ぎ、生活を一転。以来、店を営む中で、思っていた以上のほうとう作りの奥の深さに、自然とのめり込んでいったという。
店のメニューは、ほうとうを中心にすべて手作りの体にやさしいヘルシーなものを種類豊富に提供している。無農薬無肥料の畑で獲れた野菜など食材にもこだわり、お客様、そして農家さんとの「一期一会」の出会いをつなぐ店という心根の下で作られる料理は、定食をはじめとするごはん類、麹や酵素を使った一品料理やデザートなど、やさしい味わいと素材の旨味を生かした逸品揃い。
名物のほうとうは、店内手打ち。昭和初期より栽培されている伝統在来小麦、全国各地の厳選素材から作った出汁を使用し、化学調味料や添加物はもちろん使っていない。そんな食材のこだわりに加え、麺を打つ際には毎回、目を閉じて手を合わせ、心を鎮めた上で麺内に臨む。最高の素材と真心が、当店にしか出せない美味しさを生み出しているのだ。
そんなこだわりの手打ちほうとうメニューの中でも、特に人気が高いのは、自家製らー油と高座豚のそぼろが、クリーミーな豆乳と混ざり合って生まれる、まろやかな味わいが魅力の「豆乳たんたんほうとう」。一緒にトッピングされる新鮮野菜は瑞々しく、旨味のきいた汁と相性抜群で、箸が止まらない。
「何かをしなきゃいけない、何もできない自分はダメだというストレスを感じている人が多い今の時代、ほっと気が抜ける場所を作りたい」と語る、古屋氏。店名「へっころ谷」は、「山奥のへんぴな場所」という意味を持つ造語だという。山奥の先には、実はこんな素敵な場所があることを是非多くの人に知ってもらいたくなる、そんなお店だ。
元祖へっころ谷
所在地:神奈川県藤沢市亀井野3-30-1
電話番号:0466-82-1702
営業時間:11:30~22:30(L.O.21:30)
定休日:火曜日
http://hekkoro.com/