子どもや親子が安心して遊べる居場所づくりに取り組む「梶ヶ谷こども文化センター」
地域児童の健全育成を目的とした施設である「梶ヶ谷こども文化センター」。卓球台や絵本・児童書、乳幼児向けの部屋もあり、小さなお子さんでも安心して遊ぶことができます。毎週行われるクラブや月に一度のクッキングなど、楽しいイベントも盛りだくさん。そんな 「梶ヶ谷こども文化センター」について館長の山口隆さんに話を聞きました。
まずは施設の概要(役割や設備など)について教えてください。
ここは児童福祉施設ということです。子どもたちの健全育成と子育て支援を目的とした地域拠点、心身の健康を増進する、情操を豊かにすることを目的として、子どもたちを受け入れています。
子どもたちは遊びを通して、ルールを考えたり、自主性や社会性、創造性などを身に付けていきます。
乳幼児は保護者に同伴いただいており、専用の部屋を用意しています。また、子どもたちが学校に行っている時間は、市民活動の拠点として成人の方も利用できます。エアロビクスやヨガ、体操など、多くの市民活動団体が登録されています。
“児童の居場所”として0~18歳未満を対象として開かれていますが、来館する子どもたちはどのように過ごしているのでしょうか。(年齢や学校の異なる子ども達同士での交流などはありますか?
卓球やボール遊びをしています。最近はカードゲームが流行していますね。館としては平成26年度から「がやもく」という名称で、来館者が誰でも一緒に参加して、みんなで一つのことをやろうという時間を設けました。参加するのはだいたい小学1年生から中学1年生ぐらいまでで、男女で一緒に、主にドッチボールをトレーニング室で楽しんでいます。普段子どもたちはグループで来ますが、そうしてつながりができると、違うグループの子と遊んだりして、子どもたちの友人関係が広がっていきます。何をするのかは子どもたちが決めますが、みんなが一緒に遊べるものを考えるのはなかなか難しいです。
乳幼児(とその保護者)、小学生、中高生、各年代の利用状況について教えてください。
「梶ヶ谷小学校」がすぐ近くにありますので小学生が一番多いです。駅寄りには「西梶ヶ谷小学校」、市民プラザよりに「新作小学校」があって、そちらから通っている児童もいます。
3つの小学校の子どもたちが混じって遊んでいます。中学生は「宮崎中学校」「野川中学校」「橘中学校」の子が来て、主に卓球をしています。6時以降の中高生の時間は3台の卓球台を出して、部活動的なノリでやっています。高校生も卓球をしに来ます。卓球部ではないんですけど楽しくて来館する子が多いです。男の子が多くて、中高生の利用はほとんど男の子です。乳幼児の利用は午前中が主ですね。10時過ぎにお弁当を持って来て、乳幼児室で遊んで、食事をして、また乳幼児室で遊ぶという利用の仕方もされています。
日常的には乳幼児は2~3組、土日祝日はもう少し多く利用しています。小学生は平日は20~30人、授業が早く終わる日は40~50人、中高生は夕方5~6時からの利用で、人数はあまり多くありませんが楽しく過ごしています。
毎月開催されるイベントについて教えてください。
「フラッグフットボール」「3Bリズム体操」「パルケニーニョス」「絵画クラブ」という館が主催する4つのクラブがあり、小学生が対象です。「フラッグフットボール」は毎週で、アメリカンフットボールを簡単にしたようなスポーツです。ハンカチのような布をベルトに挟み、アメフトのように相手の陣地に攻め込むみます。「3Bリズム体操」は種具を使った体操で、音楽に合わせて踊ったり、新体操の輪などの種具を使います。日本3B体操協会という団体もあるそうです。「パルケニーニョス」は、いろんな国の音楽に合わせてゲームをするものです。英語から始まりスペイン語や韓国語など、多国籍の言語を耳にして、いろいろな国の言葉で自己紹介ができるようになっていきます。以前、ホームステイを受け入れている講師の方が中国の方を連れてきてくれたこともあり、子どもたちは生の中国語を聞くことができました。いろんな国の言葉や音楽、遊びに触れることができるので人気があります。「絵画クラブ」はスケッチをしたり絵を描いたりします。
館のイベントとしては、ガヤモクが毎週開催。あとはクッキングや子ども会議、梶zooという工作、これらを毎月1回イベントとしてやっております。クッキングは女性職員が担当して、ランチやおやつ作りをしています。この間はタコライス、おやつのクッキーではスノーボールを作りました。他にもフルーツロールケーキやチヂミ、豚まんなどを生地から作りました。子ども達は楽しんでいます。
子ども会議は月に1回、館としてこんなことをやってくれないかなとか、おもちゃや本はどういうのがほしいとか、そういう意見を聞く会議です。
管轄の小学校内にある「わくわくプラザ」は1~6年生まで全学年を対象としているそうですが、利用状況はいかがですか。
「わくわくプラザ」は施設で申し込みをして、その学校の在校生であればどなたでも無料で利用できます。1~6年生までを対象にしていますが、低学年の利用が圧倒的に多いです。梶ヶ谷小わくわくプラザは一日平均70人くらい、西梶ヶ谷小わくわくプラザは50人くらいです。開設時間は放課後から午後6時までですが、「子育て支援・わくわくプラザ」という事業で午後7時まで利用できます。梶ヶ谷小は校舎内にありましたが、新しく学校の敷地内に移設しました。
子育て支援についてはどんな取り組みがあるのでしょうか。
毎月幼児向けの行事をやっています。たとえば折り紙や、大型の遊具で、大きなおうちを膨らませて、中にボールをいっぱい入れといて遊ぶとか、トランポリンとかフラフープを使ったりしています。だいたい月に1回行っています。幼児向けの本もあり貸出ししています。
一回に3冊借りて、定期的に利用されている方もいらっしゃいます。
地域の方々のボランティアも多いそうですね。実際にどんな面でご協力をいただくのでしょうか。
この館の運営を考えてくださる組織、運営協議会があり、小学校が2校、中学校が1校のそれぞれのPTAの役員、町会の婦人部、民生委員、地域の青少年指導員の代表の方、ずっと関わって利用されている団体の代表の方に参加していただき、年4回会合を行います。主な活動は11月にこちらで開催するお祭りです。模擬店を出して、遊ぶ場所を作って、その準備や運営を中心にご協力いただいています。あと、読み聞かせをしてくださるボランティアさんもいらっしゃいます。ここを利用されている団体の中に人形劇をやっている方々がおり、「にこにこ青虫人形劇団」といいますが、館よりお願いして年に数回見せていただいています。
最後に、梶ヶ谷の生活環境の魅力や子育て環境の魅力について、教えてください。
緑も多いですし、すぐ近くに公園が2か所あります。子ども達はその公園を利用して遊んでいます。教育に対して関心が高いご家庭が多く、子育てにもしっかりと関わりを持っているという感じがします。町会や婦人部の方、青少年指導員さんも関心を持って地域に関わっています。素地としてはしっかりしたものがあると思います。よく「地域が子どもを育てる」なんて言われますが、それを目標に皆さんで頑張ってやっていこうとしています。西梶ヶ谷小では毎月、町会長さんや民生委員の代表の方を集めて、会議を開いています。私もこども文化センターを代表して参加し、地域の情報交換をしています。子育てするにはいいところだと思います。
今回お話を聞いた人
館長 山口 隆さん
※2016(平成28)年3月現在の情報です。 記載している内容については、今後変わる場合がございます。
子どもや親子が安心して遊べる居場所づくりに取り組む「梶ヶ谷こども文化センター」
所在地:神奈川県川崎市高津区梶ケ谷6-1-10
電話番号:044-852-4542
開所時間:9:30~21:00(日曜・祝日9:30~18:00)
※利用時間の詳細は梶ヶ谷こども文化センターへお問い合わせください。
休館日:年末年始(12月29日~1月3日)
http://www3.kawasaki-shiminkatsudo.or.jp..