「東静岡」駅から徒歩約10分。大谷川放水路に面して大きな倉庫が見えてくる。もともと同地では和骨董を専門に扱う「こっぽく堂」が営業をしていたが、生活様式の変化などで西洋アンティークの需要が高まったため、1993（平成5）年に「Antique DejaVU（アンティーク デジャヴ）」の創業に至った。
アンティークを語るとき、パティーナという用語がよく使われるが、これは“古艶”を意味するラテン語で、“古びたものが持っている味わい”、また“歳月が刻まれた風合い”というように解釈される。“詫び”“寂び”の美意識を有する我々日本人にしてみれば理解しやすい概念かもしれない。

倉庫を改装した店内にはアンティーク家具や雑貨がジャンル別に隙間なく並んでおり、その中には和骨董「こっぽく堂」で扱っていた品々も混在している。西洋アンティークのなかに和骨董があっても違和感はなく、その逆についても同じことがいえる。月日を重ねたものならではの調和する力を、ここでは感じることができる。

商品の多くはイギリスで仕入れたものだ。家具、照明器具、ステンドグラス、雑貨などが中心で、特に照明器具の品揃えについては業界でも指折りだ。一般住宅だけでなく店舗に置くことを目的とした買い付け業者もやってくる。Webサイトを見て、遠方から訪ねて来る人も多いという。
アンティークは、飾るだけのものでも眺めるだけのものでもない。あくまでも生活のなかで使用する実用品であるため、実用に耐えうる状態が求められる。必要であればメンテナンスを施すが、その際は、本来の味わいを損なわないように作業を進めている。生活空間に合わせたリメイクも提案してくれるそうなので、希望があれば相談してみるといいだろう。

アンティークや和骨董に明るくない人でも、値札には製造された年代や製作された国名が記されているので安心だ。アンティークは、決して家具のような大きなものばかりではない。小さな酒器であっても、アンティークならではの味わいを楽しむことができる。アンティークの魅力や楽しみ方を、同店を通して見つけてみるのも良いだろう。

Antique DejaVU（アンティーク デジャヴ）
所在地：静岡県静岡市駿河区池田554-1 
電話番号：054-263-9689
営業時間：11:00～19:00
定休日：月曜日
http://www.de-ja-vu.biz/