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南三陸ミシン工房

南三陸ミシン工房外観
南三陸ミシン工房外観

津波で家が流されてしまい、仮設住宅での生活を余儀なくされている方たちが、ミシンを使って仕事をしている「南三陸ミシン工房」を訪れました。作業をする場所がなく、公民館の会議室を借りるなどして活動し、材料は家に持ち帰ったり、車の中に置いたりと工夫していたそうですが、2013(平成25)年12月に念願の工房が完成しました。

あんだもがんばっぺし!!バッグ
あんだもがんばっぺし!!バッグ

真新しい工房の扉をあけると、お母さん達のにぎやかな声が聞こえてきました。机の上には色とりどりの小物が並んでいます。 その中には、インターネットでも販売されている人気商品「あんだもがんばっぺし!!バッグ」もありました。カーテン生地や、はぎれなどを利用して作られており、渋い柄やカラフルな柄まで、同じバッグでも全く印象が異なります。

あんだもがんばっぺし!!バッグスタンプ
あんだもがんばっぺし!!バッグスタンプ

こちらで作られるものは、最初から最後まで、1つの商品を一人の方が作っています。「これを見て。みんな名前が入っているのよ」と言われ、かわいいロゴのハンコをよく見てみると、1つ1つに作った人の名前が入っています。さらによく見てみるとこのハンコ、お母さんたちの似顔絵になっています。商品を手に取った時、作った人の顔と名前がわかるなんて、大切にしたくなりますね。

私も梱包のお手伝いをさせてもらいながら、いろいろなお話を聞きました。

こちらで働くお母さんたちは、裁縫のお仕事をしていた人や、趣味で裁縫をやっていた人、全く裁縫の経験がない人など、様々です。裁縫の経験がない人も「商店をやっていたんだけど、全然裁縫の経験がなくて。みんなに追い付くのが大変」と話しながら、一生懸命に作業していました。

南三陸ミシン工房ふなっしー
南三陸ミシン工房ふなっしー

千葉県船橋市に隣接する八千代市に住んでいる私は、ふなっしーが大好きです。 お母さんたちはふなっしーも作っています。 「最初はなんだか分からなかったけど、今では大人気だね」と嬉しそうに話してくれました。こちらはすぐに完売してしまう人気商品。この日も出荷された後で、一体(一梨)しかいませんでした。ふなっしーの洋服も、その時にある生地によって、厚手になったりちょっと色が変わったり。リボンも少しねじりが入るようになったりと、日々進化しているそうです。洋服をめくると、「あれ?」秘密も隠されています。みんなを笑顔にするふなっしーのユーモアと、南三陸のお母さんたちの心がこもったふなっしーが人気なのも納得です。

ミシン工房の皆さん
ミシン工房の皆さん

皆さんで集まっての作業は月に数回行われているそうで、時間は夕方の4時頃まで。海の仕事をしている人は朝が早いので、夕方までだそうです。みんなで集まると「ここどうやってるの?」「こうやって縫うといいよ」と意見交換もでき、暖かい場所でおしゃべりができるのが楽しいそうです。「仮設住宅も寒くてこたつを出したいんだけど、部屋が狭くなってしまうから」と、不自由な環境での生活を強いられているお母さんたちの話に、震災から3年が経ち風化が進む中、まだまだ被災地は復興していないということを実感しました。

そんな中でも「がんばっぺしよ!」と私を応援してくれたお母さんたちの笑顔が印象的でした。「また来てね。次に来る時までには結婚してるんだよ!」と笑顔で手を降って送り出してくれたお母さんたち。千葉からは少し時間がかかったけど、心は近くに感じられました。

 

◆2014(平成26)年4月追記————

南三陸ミシン工房
南三陸ミシン工房

2014(平成26)年3月8日~11日までの4日間、東京・京橋のブラザー東京ショールームで「南三陸ミシン工房のおかあさんたち展2014」が開催されました。エコバッグやティッシュケースなどの販売や、活動の様子などがパネルで展示されていました。また、南三陸から上京したお母さんたちと一緒にティッシュケースを作るワークショップも行われ、順番待ちができるほどの人気でした。また東京で作品にふれられる機会があるときは、ぜひ足を運んでみて下さい!

南三陸ミシン工房
所在地:宮城県本吉郡南三陸町歌津字田表42-1 
電話番号:0226-29-6528
http://www.mishinkoubou.org/




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