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“おいしさ”で世界をつなぐ、地域おこし飲食店

上尾ごはん

2019(令和元)年にリニューアルしたばかりのお店
2019(令和元)年にリニューアルしたばかりのお店

JR高崎線「上尾」駅西口から徒歩3分。飲食店が軒を連ねる商店街にある、街のごはん家さん「上尾ごはん」。店主の町田雄一郎氏は、ミシュランにも掲載された東京・広尾の有名フレンチ「ル・ロンポワン」の元オーナーシェフ。東日本大震災で被災地へ炊き出しに赴いた際に芽生えた、「今自分がいるフードシーン以外の場所で、自分の技術を活かせないか」という想い。それを汲むべく、今度は自身が生まれ育った地元に恩返しをしようと、団塊世代のベッドタウン化が進む街を活性化させるべく、2015(平成27)年9月にお店をオープンさせた。

女性の一人客も入りやすい雰囲気の明るい店内
女性の一人客も入りやすい雰囲気の明るい店内

大きな窓からの採光が満ちた明るく洒落た店内の中央には、近年、希薄になりつつあるふれあい、コミュニケーション創出のために遊びを取り入れようと設けた、ブランコが揺れている。ゆとりを感じる、風通しのよい心地いい空間。

黒板の楽しいイラストは、昔実施したワークショップ参加者が描いてくれた
黒板の楽しいイラストは、昔実施したワークショップ参加者が描いてくれた

店のメインメニューは、赤城牛と土鍋ごはんの「ステーキ丼」。肉は、繁殖雌牛の飼育から子牛生産、肥育までを一貫して担う、肉用牛一貫経営を行なっている鳥山畜産の赤城牛。美しい赤身ときめ細かいやわらかな肉質の上質な肉と相性抜群のご飯は、「さんべ農園」の会津のコシヒカリ。土鍋で炊かれたご飯は、米の一粒一粒が立ち、ふっくらとして艶やか。味付けがシンプルだからこそ、厳選した肉とご飯の本来のおいしさが際立ち、活きる。

味噌汁の具には、磯の香あふれる宮城県東松島のアイザワ水産の岩海苔を使用
味噌汁の具には、磯の香あふれる宮城県東松島のアイザワ水産の岩海苔を使用

この場所に店を出した理由、選ぶ食材、空間、その店づくりのすべてに一貫しているのは、“つなぐ”という確たる意志。食料の種も、代々受け継がれてきた職人の技も一度途絶えることで、永遠に失われてしまうものがある。自身の体験や出会いを通して、つないでいくことの大切さを学び、料理を作るだけにとどまらず、まちおこしにも参画するなど、食を通じて“つなぐ”活動をしている町田氏。つなぎたい理由、それは「おいしいから」。この店を象徴しているかのような、シンプルだが奥深い答え。つなぐための最適解を探し続けているという店から何が生まれてくるのか。これからがますます楽しみな、上尾の食の発信源だ。

上尾ごはん
上尾ごはん

上尾ごはん
所在地:埼玉県上尾市柏座2-4-6 ハシモトビル1F
電話番号:048-772-0909
営業時間:11:30~14:00、18:00~21:00
定休日:不定休
https://www.facebook.com/ageo.gohan/

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