珈琲なども用意されているが、メニューの中心は煎茶。煎茶は温かいものが8種類、冷たいものが2種類用意されており、そのときおすすめの緑茶を楽しめる。

本日いただいたのは、さっぱりとしたなかにまろやかさを感じさせる「ぐり茶セット（嬉野産）」。ぐり茶とは、仕上げ揉みと呼ばれるお茶の工程を省いて自然に乾燥させて作るもので、茶葉本来の味を引き出すことができるそう。

セットに付くお菓子は、和菓子と洋菓子から選ぶことができる。和菓子は2、3日に一度変更になるそう。この日の和菓子は「おぼろ月」。品の良い甘さがじつに煎茶によく合う。

また、1煎目は店主が淹れるが、2煎目からは用意された湯さましに、茶釜のお湯をもらい自分で淹れていただく。「3煎目、4煎目くらいまでは美味しくいただいただけますよ」と青山オーナーはいう。しかし、こちらでいただくお茶の美味さといえば、どうしてこうも自宅で淹れたものと違うのかとじつに感心させられるのだ。自宅でどんなに高級な茶葉を買ったとしても、オーナーが淹れてくださったお茶のようにまろやかで深い味わいになるとは思えないのだ。

その秘訣をオーナーに訊ねてみると、「特別なことは何もやっていないのです。お水も洗浄機をつけているだけの普通のお水ですし、何も特別なことはしていないと思います。ただ長年、何度もお茶を淹れてお茶にふれてきたからかな」と笑って応じてくださった。