白幡沼
さいたま市、とくに旧浦和エリアに水辺の風景が多いのは、旧入間川や笹目川に由来する沼が点在しているところによる。「白幡沼」もそうしたウォーターシーンをつくってきたもののひとつ。別名「こぶし沼」。巨人が転んで手をついた地面の窪みに水がたまったことで、この沼ができたという言い伝えから名づけられたのだとか。
沼の西側を沿うように白幡緑道が延びており、散歩しながらベンチでくつろいだりと、のんびりとした時間を過ごすことができる。春には沼を縁取るかわいらしい野草や水辺にたたずむ桜、秋にはサザンカ。季節ごとに新しい発見があり、眺めているだけでしばし喧噪を忘れられる。
周辺では赤い彩色が施された鬼高式土器片が出土するなど、歴史のロマンも秘めている白幡沼。昔から人々の身近にあった、心なごむ浦和の風景だ。
白幡沼
所在地:埼玉県さいたま市南区白幡2-19