畑のコウボパン タロー屋
身近な環境でとれる四季折々の果物や草花から酵母を培養して作る、こだわりのパンを求めて、全国からもパン好きが集まる話題のベーカリー「畑のコウボパン タロー屋」。
店主の星野さんが店をオープンしようとしていた当初、駅からも距離のある住宅街のため、来店客も少ないだろうと通販などの販売を考えていたという。工房なる場所は、近隣の中学校の通学路にもあたる場所。ある時、通学路を通っていた複数の中学生からこんな手紙をもらった。「いつ、お店はオープンしますか?」。日々、通学路に漂うパンの香りをかいでいたのだろう。この手紙をきっかけに、求めてくれる人が身近にいるならと、急遽オープンを早めることに決めたのだそうだ。
国産小麦に全粒粉、ライ麦粉、よつ葉バター、ゲランドの塩などの原材料の他、タロー屋の個性が特に発揮されているのが使用する酵母。よく耳にするレーズンやリンゴ酵母だけではなく、ラズベリー、苺、ゆず、レモンなどの季節の果物や金木犀やバラなどの植物さえも酵母として扱っている。また、余計な砂糖などを入れずに素材の甘味をそのまま生かすために甘味のある果物を使うなど、使う素材によって異なる工夫を凝らす。
種類豊富な「カンパーニュ」やお店の定番「タロー屋のサワードゥーブレッド」など、でき上がったパンにももちろん酵母それぞれの特徴が豊かに香る。また、「ノワ・レザン」のようにパンによっては季節で酵母菌のもととなる素材を変えて作るものもあり、四季を通して異なる味わいを楽しむことができるのは魅力の一つ。
年末には、スタッフ全員で山でとってきたゆずのピールを入れた発酵菓子「ゆず酵母のシュトレン」も限定販売されるが、こちらも予約必須の人気商品だ。
仕込みとパン作りはほぼ1日がかり。焼き上がりは、明け方までかかることもある。そのため、販売日は週2日のみ。手に入るチャンスはかなり限られている。それでも、唯一無二のこだわりのパンを求めて、多くの人々が今日もパンの焼き上がりを待ちわびている。
畑のコウボパン タロー屋
所在地:埼玉県さいたま市浦和区大東2-15-1
電話番号:048-886-0910
営業時間:10:00〜売り切れ次第終了
営業日:木曜日、土曜日(※詳細はホームページにて要確認)
https://www.taroya.com/