地域一番店を目指して。
まちの発展を支えながら共に歩み続けてきた地域密着店の献身とチャレンジ/カフェ・ド・ジュアン 古田康郎さん
カフェ・ド・ジュアン
古田康郎さん
地域一番店を目指して。
まちの発展を支えながら共に歩み続けてきた
地域密着店の献身とチャレンジ。
1983(昭和58)年のオープンより、“地域一番店”を目指し夫婦2人3脚で歩み続けて30年。全国菓子大博覧会にて受賞した焼き菓子の「柏の葉」や「樹輪」をはじめ、地元のゆるキャラをモチーフにした「おいでよ!カシワニ」や、お客さまと一緒に商品開発した「こてらんね」など、地域の発展にも寄与する洋菓子店として広く親しまれている「樹杏(ジュアン)」。今回は地域の将来性を信じその発展を支えながら共に歩み続けてきたオーナーシェフの古田康郎さんに「柏市」の魅力についてお話を伺いました。
まずお店の歴史について教えてください。
現在、柏市内に「カフェ・ド・ジュアン」を含む4店舗のお店があるのですが、その歴史は1983(昭和58)年に開業した「ミレー 北柏店」に遡ります。 豊四季にあるフランス菓子の「ミレー」で修行をしていたのですが、公私ともに大変お世話になっている松長シェフに背中を押していただいて、“のれん分け”というかたちで独立したのがはじまりです。
売場面積が6坪ほどの小さなお店でしたが、地域一番店を目指し妻とふたり2人3脚でがんばりました。その後4年ほど経って、あらたな目標を立て「西洋菓子処 樹杏(ジュアン)」へと名前を変え商品ラインナップも一新しリニューアルオープンしました。
4店舗あるお店の概要と「カフェ・ド・ジュアン」の特徴を教えてください。
「北柏」駅から車で10分ほどの住宅地にある「松葉町店」が工場併設の本店になるのですが、古くからのお客さまも多くいらっしゃいます。また縁あって1992(平成4)年にテナントとして出店することになった「柏高島屋店」では、全国的に知られる有名なお菓子とともに1階にお店を構えています。
その後、2006(平成18)年に「カフェ・ド・ジュアン」をオープンし、2013(平成25)年には4店舗目となる「ららぽーと柏の葉店」を出店したのですが、なかでも「カフェ・ド・ジュアン」は郊外型のお店として他の店舗とは趣向の異なるお店づくりをしています。
まず店内に設けられたカフェスペースですが、“作りたての味をその場で味わって欲しい”という思いから、サクサクした生地の食感が楽しめる「ミルフィーユ」やあつあつの「ホットアップルパイ」、「フォンダン・ショコラ」など、厨房を生かしたデザートメニューも提供しています。
天気の良い日にはパラソルを立てた屋外のテラス席でお茶をすることもできるので、愛犬を連れていらっしゃる近隣の方も多くご好評いただいています。
全国菓子大博覧会で受賞した「柏の葉」や「樹輪」など、手土産を求めて訪れる人も多いようですが、地元ではどのようなお菓子が人気ですか?
手土産としては圧倒的に「柏の葉」(写真右)が人気です。また、生菓子ではいちごの「ショートケーキ」と「モンブラン」、「プリン」と「シュークリーム」も根強い人気で、この地域ではいわゆる定番と呼ばれる馴染みの洋菓子を好んで食べる方が多いように感じられます。
昨年、開業より30周年を迎えるプレイベントとして、地元のお客さまに「モニター会員」として商品開発にご協力いただいたのですが、「こてらんね(千葉北部の方言で、たまらなく美味しいの意)」と名づけたマドレーヌが地元の味としてあらたに加わりました。
「プレーン」と「抹茶小豆」のそれぞれに京都丹波の黒豆が入っているのですが、本和香糖の上品な甘さに仕上がっています。また地元のゆるキャラとして人気を集めている「カシワニ」をモチーフにした「おいでよ!カシワニ」もおすすめで、「アーモンド風味」と「バナナ風味」(写真左)でそれぞれカタチが異なっているのも楽しんでいただいています。
地元のお客さまとの商品開発はとても興味深いエピソードですが、地域とのつながりという点では他にどのような活動をしていらっしゃいますか?
「かしわインフォメーションセンター」
「柏」駅の南口にある「ファミリかしわ」にNPO法人の「柏市インフォメーション協会」があるのですが、地域振興を目的とした情報提供をしています。地元のゆるキャラとして活躍している「カシワニ」も「柏市インフォメーション協会」から誕生したのですが、地域のイベント情報や活動記録などをカシワニとともに発信しています。
ほかにも商工会議所の活動や千葉県洋菓子協会の副会長も務め、若手の育成にも努めています。大変なことも確かにありますが、地域のためにできるこういった活動は好きなんですね、昔から。
幅広い活動を通じてまちを俯瞰しているシェフから見て、柏市の魅力とはどういったところですか?
まちの将来性を信じて30年前にこの土地にお店を開いたのですが、当時と比べると柏市の人口は倍になり、県内でも5番目に多い40万人を超えました。都心部へと電車一本で行ける便利さと、身近なところにある公園や緑は、人が住むのに心地良い環境だと思います。
「千葉県立柏の葉公園」
それと個人的な印象もありますが、柏の人は他の地域から移り住む人に対して寛容なところがあり、あらたに転入して来た若い世帯も快適に暮らせる場所だと思います。
柏という木も、「古いモノから新しいモノへと譲る」「代が続いて子孫繁栄に通じる」といった縁起の良い木とされているため、そういった部分もまちの良さにあらわれているのかも知れませんね。
最後に、これからのお店の展望や目標などがあったら教えてください。
いま都内のホテルで息子が修行をしているのですが、ゆくゆくはお店を継いでもらいたいなと考えています。私自身、台湾へ講師として招かれて現地で講習会も開いているのですが、日本の洋菓子は技術的にも原材料の品質にしても世界をリードする水準まで来ています。
私自身の目標としては、妻とふたりで海外にあらたなお店を構え、またふたりで一からお店づくりをはじめたいなと考えています。それまでにしっかりと、いまこの場所でできることを精一杯やろうと思います。
今回、話を聞いた人
カフェ・ド・ジュアン
古田康郎さん
所在地:千葉県柏市松ヶ崎812-2
電話番号:04-7133-3847
URL:http://www.juin.co.jp/
※記事内容は2014(平成26)年5月時点の情報です。
地域一番店を目指して。
まちの発展を支えながら共に歩み続けてきた地域密着店の献身とチャレンジ/カフェ・ド・ジュアン 古田康郎さん
所在地:千葉県柏市松ケ崎812-2
電話番号:04-7133-3847
営業時間:9:00~19:00
定休日:第1・第3木曜日
http://www.juin.co.jp/