「書くことは楽しい」。あらためてこの感覚に出会える文具店「カキモリ」。お店がオープンしたのは2010（平成22）年だが、現在の場所に移転したのは2018（平成30）年。「たのしく、書く人。」をコンセプトに、ノートやペン、インク、レターなど、“書く”にまつわるさまざまな文具を販売している。

「選ぶ楽しさを体験してほしい」との想いの下、オープン当初から販売し続けている自分のオリジナルノートを作れる「オーダーノート」は、当店の看板商品。ノートの表紙から中紙、リング、留め具まで、複数の素材や柄、カラーから好みのものを選ぶことができる。蔵前の職人の手による布や革、浴衣の生地、人気の日傘作家がデザインしたものなど、迷えるほどの豊富な選択肢があるのがうれしい。用紙についても一般の文具店ではお目見えできない珍しいものもあるなど種類豊富だが、使用するペンとの相性の良さについて紹介してくれているので、数はあるけれど自分好みのものが選びやすい。

また、書くためには、当然ノートだけではなく、書くものも必要。当店では、ペン類が実に充実している。ボールペン、万年筆、ガラスペン、つけペンなど、書き心地を考えたものから、見栄えの美しさが際立つものまで多種多様なペンを販売しており、「“書く”きっかけを大事にしている」というカキモリらしいラインナップが魅力。中でもおすすめは、ドイツのラウシャ村で修業をしたガラス作家さんが手掛けるガラスペン。書き心地、見た目とペン字体の美しさは、ぜひ実際に見て、試して、体感してほしい。

さらに、カキモリでおすすめしたいのが、オリジナルインクが作れるサービス。1階ではカキモリのオリジナルカラーのインク販売も行っているが、店舗2階にはインクを作るインクスタンドがあり、自分の好きなカラーのインクを作ることができる。自分だけのカラーを作れる感動はもちろん、17種類のインクから3種類を選び、1滴ずつ垂らして色合いの変化を見ながらイメージするカラーに近づけていく制作工程の楽しさは、ここでしか味わえない貴重な体験。

インク作りをする人の中には、結婚式のブーケ写真を持参し、ブーケの色のインクを作るなど、自分の想いが込められた世界に一つだけのインクを作る人もいるという。自分用はもちろん、贈る相手をイメージして作ったインクをプレゼントするなんていうのも素敵。

商品を通して、近隣の職人をはじめとする、地域とのつながりを大切にしている姿勢がうかがえる当店。他にも店頭では、より多くの人が蔵前を楽しめるようにと蔵前散策マップを配布している。マップの中でも、「書く楽しさ」だけでなく、職人の街・蔵前らしい「つくる楽しさ」も体感できるお店として、まずはチェックしておきたいお店だ。

カキモリ
所在地：東京都台東区三筋1-6-2 
電話番号：050-1744-8546
営業時間：12:00～17:00（土日祝11:00～19:00）
定休日：月曜日（祝日の場合は営業）
http://www.kakimori.com/