青山の骨董通り沿いの真ん中あたりに佇む「クリントン・ストリート・ベイキング・カンパニー」は、ニューヨークのローワーイーストサイド、クリントン・ストリート沿いに本店を持つレストラン。世界でもNY、東京、ドバイの3拠点しか持たないというこだわり派の店で、特にパンケーキの人気店として、その名を知らしめている。

オープンは2013（平成25）年の8月。当時は日本でパンケーキが流行り始めた頃だったこともあり、長い行列ができ、1時間以上も待ってようやく店内に入れるという状況だったが、ここ最近はようやくブームも落ち着き、平日であればスムーズに店内に案内されるようになった。それでも昼時ともなれば、多くの女性客で1階、2階のフロアは満席となる人気ぶりである。

この店のパンケーキは、日本の定番おやつ、いわゆる「ホットケーキ」のイメージとはちょっと違う。ふんわりとした3枚重ねのパンケーキにオシャレなデコレーションが施され、「NYのセレブ達がブランチで楽しむホットスイーツ」という趣がある。モーニングやブランチには十分のボリュームだが、甘さもクリームも控えめということもあって、料理との相性も良さそうだ。表面はサックリと軽やかに焼き上げつつも、中はふんわりとした風合いが残り、3枚のパンケーキの間にはしっかりとソースやフルーツなど、テーマとなる食材が挟み込まれている。まずは基本となる「パンケーキ　with メープルバター」をオーダーして、そこから「ブルーベリー」「バナナとクルミ」「チョコレート」の3種類、もしくはシーズン限定のもう1品のいずれかのテイストを選ぶという仕組みだ。

パンケーキの美味しさの理由は、もちろん生地にもある。NY本店と同じレシピで配合した粉を、本店と同じ手順で生地にして、焼いているのだが、生地の仕込みのタイミングひとつにしても、お客さんの入り具合を見ながら調整し、提供時にふっくらと最高の焼き上がりになるようにしているという。「せっかく待っていただいたのだから、最高の状態で料理を提供したい」という思いをスタッフ全員が共有し、素晴らしいチームワークで日々繁盛店を切り 盛りしている。だからこそ、いつ訪れても変わらず美味しいのである。

また、「パンケーキ専門店」のイメージを持っている人が多いようだが実は、ステーキやオムレツ、サンドイッチ、エッグベネディクトなど、フードメニューも充実しており、それぞれに深いこだわりを持っている。18時からのディナータイムには名物のチキン料理も登場するそうで、通い慣れた人には空いてきた夕時を狙って訪れ、料理とワインを楽しみつつ、締めのスイーツにパンケーキを楽しむ、という人もいるそうだ。

 

ドリンクについては紅茶とコーヒーが人気だというが、手作りメニューが多いソフトドリンクやジュース類にもぜひ注目したい。スタッフの一押しは、レモンを搾るところから自家製して作っているレモネード。こちらも本国と同じレシピだが、甘さはかなり控えめに作られており、パンケーキとの相性は抜群に良い。暑い時期に訪れたら、コーヒではなくこちらをオーダーしてみても良さそうだ。

モーニング、ブランチ、ディナーと、それぞれの時間で雰囲気も客層も変わる店なので、生活のシーンに合わせて利用し、時にはサンドイッチでモーニングを、時にはステーキとチキンとワインでディナータイムを、といった具合でシーン毎に使い分けてみるのも、都会人ならではの楽しみ方かもしれない。

クリントン・ストリート・ベイキング・カンパニー
所在地：東京都港区南青山5-17-1 
電話番号：03-6450-5944
営業時間：8:00～22:00（21:30L.O.)
定休日：不定休
http://clintonstreetbaking.co.jp/