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顔の見える商売が基本!下町情緒あふれる老舗鮮魚店

魚米(うおよね)

JR「浅草橋」駅・「御徒町」駅から徒歩約8分の所に、「おかず横丁」とよばれる昔ながらの商店街がある。現在の商店街の原型ができたのは、1923(大正12)年の関東大震災後。このエリアには複数の町工場があり、住み込みで働いている女性職人も多かったため、家に帰ってお米を炊けばすぐにご飯が食べられる出来合いの「おかず」が好評だったという。今日でもデパートやスーパーのお惣菜売り場が、一人暮らしのOLやビジネスマン、共働きの夫婦などに人気があることからも、こうした商品の需要の高さは昔から変わらないことが分かる。

店頭には鮮度抜群の天然魚介類が並ぶ
店頭には鮮度抜群の天然魚介類が並ぶ

「おかず横丁」は、アーケードから約230メートルある通りに、八百屋や寿司屋、肉屋、酒屋などの他、薬局、飲食店などのさまざまな店が軒を連ねている。まわりにスーパーマーケットなどができ、客足は昔よりは減ってしまったとはいえ、なじみの味を求めて遠方から通い続けているファンもいる。その中で、毎日築地から卸した新鮮な魚介類を販売している「魚米」は、明治の創業から130年以上の歴史を持つ老舗中の老舗だ。鮮魚店を営んでいた2代目の名前「米吉」に由来する店の看板を現在背負うのは、5代目であり、「おかず横丁」の会長もつとめる横山氏。

通りに向けて明るく開かれた店頭
通りに向けて明るく開かれた店頭

店で出している商品は、鮮度が高い素材であることはもちろん、その上すべて天然ものを扱っている。店には、「値段よりも鮮度と味」というこだわりによって厳選された食材のみが並んでいるので、店内にある商品すべてが看板商品といってもいい。中でも人気が高いのは「焼き魚」。店頭には、鯵、鯖、ほっけ、銀鱈や鮎など数種類の焼き魚が並んでいる。ケースに入ったこんがりと焼き色がついた魚は、店の前を通りかかる人も思わず見いる程美味しそうだ。

ケースの中にない魚は注文すれば無料で焼いてくれる
ケースの中にない魚は注文すれば無料で焼いてくれる

こうした美味しい魚が購入できる「魚米」をはじめ、横丁にある店は、通常の営業の他に、横丁を会場としたイベントを定期的に行っている。お正月には餅つき大会、夏はすいか割り、秋にはハロウィンなど、季節ごとに子どもから大人まで楽しめる複数のイベントを開催している。無料で行っていることもあり、イベントにはたくさんの人たちが訪れる。店にとって売上につながるわけではないが、商売抜きでこうしたイベントを行っているのには理由がある。それは、「顔の見える商売をしている」という店の自負があるからだ。

店先には、築地市場の取引先から贈られた木札がずらり
店先には、築地市場の取引先から贈られた木札がずらり

災害などが心配される近年、自分の住んでいる街にどんな人が住んでいるのか、お互いに知っておくことは大変心強く、安心にもつながる。こうしたイベントを開催することで、ここに暮らす人たちの家族やつながりなどを把握することができるのだという。“下町情緒あふれる”という言葉があるが、この言葉はきっと「人が人を思いやる」という土壌があった上で育まれる街のひとつの姿なのだろう。「魚米」をはじめ、「おかず横丁」はこの言葉が実にしっくりくる場所である。

魚米(うおよね)
所在地:東京都台東区鳥越1-6-5 
電話番号:03-3851-8743
営業時間:10:00~19:00
定休日:日曜・祝日
http://tokyouoshou.com/shop_8.html




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