城山公園
国立市の谷保地区にある「城山(じょうやま)公園」。園の中心辺りには「都史跡三田氏館跡」(通称、「城山」)が存在する。これは鎌倉時代初期、1180年の石橋山合戦以来、源頼朝に属して多くの武功を収めた津田三郎為守の城館であったもので、東京都指定旧跡にも指定されている。現在、この館跡は私有地となっていて立ち入ることはできないが、その周囲が「城山公園」として整備されている。
「城山公園」のある辺りは青柳段丘の南端、青柳崖線の一角。歴史的遺産と自然とを一体として東京都の谷保の城山歴史環境保全地域に指定されている。谷保の城山ふれあいボランティアが草刈や柵の補修、枯損木伐採などの保全活動を行っており、自生の植物を中心に野鳥が飛来する自然そのままの光景が保たれているのだ。
公園は誰でも自由に出入りでき、森林浴に訪れる人や、初夏には水辺でザリガニを捕まえる子どもたちもやって来る。また、野鳥も多く飛来し、ツバメ、モズ、オナガ、コジュケイ、ヒヨドリ、キジバトなどたくさんの野鳥を観察することができる。草花も群生しているので、季節ごとの花々を愛でるのも楽しいだろう。
「城山公園」の南側には、「城山さとのいえ」と「国立市古民家」が建っている。「城山さとのいえ」は、国立市の農業体験および農業の情報発信の拠点で、収穫体験などのイベントも開催している。また、屋内外の施設は予約すれば利用することができ、屋内施設ではキッチンを利用してお茶会なども可能だ。予約が入っておらず空きがある場合には、自由に休憩所として利用できる。
一方「国立市古民家(旧柳澤家住宅)」は、国立で唯一残る茅葺屋根の建物。元は甲州街道沿いの青柳村(現在の国立市青柳)で江戸時代から使われていた農家の住まいで、ここに移築し復元したものだ。古民家の周りには建物だけでなく、敷地を囲う生垣や風や日を避ける高垣が設けられている。また、魔よけのための槐の木や“つるべ井戸”も再現され、当時の暮らしの様子がわかるようになっている。この古民家でも1月には繭玉飾り、2~3月にはひな人形飾り、4~5月には五月人形と鯉のぼり飾りなど、季節ごとの飾り付けが行われるほか、イベントも随時行われている。
城山公園
所在地:東京都国立市泉5-21
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