都立石神井公園
西武池袋線「石神井公園」駅より徒歩約7分の場所にある都立公園。「三宝寺池」と「石神井池(ボート池)」の2つの池を中心に構成されており、春は花見、夏はボート遊び、秋は紅葉、冬は渡り鳥など、季節ごとの景観を楽しむことができる公園である。
ボート池は、「三宝寺池」一帯が風致地区に指定された際、「三宝寺池」とともに武蔵野の景観を保護する目的で、もともとは周辺の田んぼに水を引いていた水路をせき止めて作った人工池だ。池の外周は、練馬区ランニング走路「おしどりコース」となっており、中之島を起・終点に約1,750メートル。ジョギングや散歩をする人たちの姿が多くみられる。東西に広がる池の西側には、三澤憲司作のモニュメントもあり、ボート池のシンボル。その近くには、野外ステージがあり、毎年行われる「照姫まつり」のフィナーレにこのステージが使われる。
一方、「三宝寺池」は、「井の頭池」、「善福寺池」と並ぶ“武蔵野三大湧水池”の一つで、1959(昭和34)年に市民が散策できる公園として整備された。豊かな湧水のもと、氷河期から生息してきた湿生植物は「三宝寺池沼沢植物群落」として国の天然記念物に指定されている。池周辺には木道が続き、武蔵野のおもかげを残す風情ある景観が広がっている。
また、「三宝寺池」の南側一帯には、室町時代に豊島氏の居城だった「石神井城」跡があり、土塁や空堀などの遺構が見られる。豊島氏は、葛西、江戸両氏とともに秩父流平氏で、鎌倉時代の末には、石神井郷を領有していた。室町時代、城主の豊島泰経は、武蔵守護の上杉顕定に背いた長尾景春に味方したため、江戸城主の上杉定正の重心である太田道灌に攻められ、1477(文明9)年に落城。落城の際、泰経の娘である照姫が水中に身を投げたという伝説もあることから、毎年春には「照姫まつり」が開催されている。
池の南西部には「厳島神社」「水神社」のほか、年に1回一般公開される「穴弁天」が祀られている。西側には野鳥誘致林、北側には「さくら広場」「くぬぎ広場」があり、「さくら広場」には豊島泰経と照姫の殿塚と姫塚も祀られており、自然と歴史を楽しみながら散策できる公園としても人気。「穴弁天」は隠れたパワースポットとしても知られている。
近年、「三宝寺池」とボート池の間を走る都道444号線近くには、10歳以上の子ども向けの「アスレチック広場」が設けられ、横渡りパイプやうんてい、4点ハードル、ミニロープ―ウェイなどの遊具で遊ぶ子どもたちの笑い声が、鬱蒼とした木立の中から聞こえてくる。
都立石神井公園
所在地:東京都練馬区石神井台1・2、石神井町5
電話番号:03-3996-3950
開園日:常時開園
入園料:無料(一部有料施設あり)
https://www.tokyo-park.or.jp/park/format..