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三輪亭

「豪徳寺」駅南側の閑静な住宅地に、ひょっこりと現れるイタリアの国旗。落ち着いた木目の色あいに囲まれたこの店は、近隣のみならず、都内各地、全国各地からのリピート客もあるという、知る人ぞ知る名店である。その理由は「南チロル料理」。「南チロル」とは、イタリア北東部、オーストリアとの国境に近い山岳地帯のことを指すが、「三輪亭」はその地方の郷土料理に特化した、かなり“コア”なお店。「『南チロル料理専門店』というのは、私の知っている限りでは、日本で唯一だと思います。」と、三輪学シェフは胸を張る。

店舗外観
店舗外観
看板
看板
看板
看板

極めてマイナーな存在の「南チロル料理」だが、三輪シェフは「絶対に美味しいですから、絶対に食べてみてほしい。」と、その普及のために孤軍奮闘を続けている。開店して間もなく10年。そこまで続いたのは、言うまでもなく「南チロル料理が美味しいから」である。

国内では物足りず、2001(平成13)年、単身渡伊。知り合いの紹介で、南チロル地方にあるリストランテを紹介され、食べに行ってみたところ、見たことの無い料理の数々が、どれも「とんでもなく美味しい!」と大感激。その店に修行に入りたいと願い出たところ、快諾してもらえたということだ。

三輪氏は、地域のシェフの間でおおいに話題になり、様々なお店で、料理を教わることができたという。「そのままの味を日本に伝えることが、彼らへの恩返しだと思っている。」と話す三輪シェフ。だからこそ、技法はそのまま、無いものは手作りをして、「現地の味」を提供しているのだという。
メニュー一例

メニュー一例
メニュー一例

南チロル料理のシンボルは、ハムやソーセージといったものだ。ハムにもソーセージにも、とにかく香辛料がよく使われている。さらに、イタリアの「熟成」、ドイツ経由で来た北欧の「スモーク」の文化が融合し、「スペック」という燻製生ハムが主要なハムとなっている。「食文化史的にも非常に面白い地域なんですよ。」と、三輪シェフは食文化についても詳しく語ってくれる。こうした説明を聞きながら、シェフ手作りのハムやソーセージ、パテなどを頂き、南チロルのワインをともに楽しむ。これが、「三輪亭」の一番の醍醐味だろう。

メニュー一例
メニュー一例
メニュー一例
メニュー一例

パンやパスタも同様に、周辺各国の文化の「いいとこ取り」をした、非常に美味しいものがあるという。たとえばパンは、ドイツパンのようにサワー種から起こすため、酸味がある、ずっしりと重いパンが主体。そこに香辛料を効かせているのが独特だ。これを何種類か焼いて、カットしてバスケットに入れ、好きなように取りながら食事を楽しむ、というのも現地流。「三輪亭」でもそのスタイルを踏襲している。ディナーはコースが主体で、高めのコースほど「南チロル」色が色濃くなっているそうなので、訪れるお客さんも、それを期待してやって来ているということだろう。

メニュー一例
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生ハムを熟成させている様子
生ハムを熟成させている様子

「南チロル」はパスタも独特で「シュペッツレ」と「カネーデルリ」というショートパスタ。「ドイツでは付け合せのこれらのパスタが、南チロルではイタリアの食文化の影響で、単独の料理に昇格している。これも面白いところですね。」とシェフ。そこにたっぷりの香辛料を使ったソースを合わせているのが、やはり「南チロル」ならではなのだという。

店内の様子
店内の様子
店内の様子
店内の様子
メニュー一例
メニュー一例

オリジナリティが止めどなく溢れている「三輪亭」の南チロル料理たち。この味が頂けるのは日本でも唯一、ここだけ。わざわざ訪れる甲斐もあるというものだろう。とはいえ「郷土料理ですから、ここに住んでいる人から広がっていってほしいと思っています。敷居は思い切り下げて、三世代、おじいちゃんおばあちゃんとお孫さんが、一緒に来られるようなフレンドリーな店作りをしています。」と微笑む三輪シェフ。優しい雰囲気に包まれた、それでいて「日本唯一」のレストランが、ここ「三輪亭」である。

三輪亭
所在地:東京都世田谷区豪徳寺1-13-15 ツノダ第1ビル1F
電話番号:03-3428-0522
営業時間:11:30~15:00(L.O.14:00)、18:00~22:00(L.O.20:00)
定休日:火・水曜日(祝日の場合は他の日に振替)
https://www.miwatei.com/




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