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芝浦の老舗、全国こだわりの地酒が味わえる居酒屋

諸国地酒銘酒処 芝の浦

田町駅の南口からまっすぐ伸びる「なぎさ通り」を歩き、運河を渡った先にある芝浦商店会の街並み。その一角にある「芝の浦」は、創業50年以上、この界隈にある居酒屋の中でも歴史のある老舗のひとつだ。店主は創業者の息子である、二代目・大野岳史さん。

芝浦商店会で歴史を刻み続ける居酒屋「芝の浦」
芝浦商店会で歴史を刻み続ける居酒屋「芝の浦」

そもそも「芝の浦」とは現在のこの辺りの昔の地名で、芝(東京タワーや増上寺がある地域)の先にある浦、つまり「海」という意味をもつ。その海が大正時代ごろに埋め立てられ、港町が作られ、オフィス街に変わっていった。そんな歴史をもつ地の真ん中にある「芝の浦」は、先代が、「古き良きものを守り伝え、後世に残していきたい」という思いを暖簾に込め創業した店だ。

全国から蔵直で送られる自慢の地酒
全国から蔵直で送られる自慢の地酒

店の看板商品は日本酒。しかしただの酒ではなく、全国の酒どころの小さな酒蔵から「蔵直」で送られた「地酒」であることがポイントだ。この店では創業当時から、大都市圏への流通経路をもたず、その地方だけで消費されていた日本酒を「発掘」し、都会の人々に向けて発信してきた。先代は「地酒」という言葉がまだマイナーだった時代から、各地の蔵元に頻繁に足を運び、信頼関係を築き上げてきたという。

どこか懐かしさを感じる雰囲気の店内
どこか懐かしさを感じる雰囲気の店内

その信頼関係をもって直接入荷される酒は、当然ながら蔵元の“渾身の一本”揃いだ。定番の銘柄はより新鮮に、季節ごとの限定酒や、産地以外には流通しない少量生産の酒、温度管理が難しい「生酒」も豊富に揃っている。それゆえ、常連客にはエリア外から訪れる日本酒フリークも多いという。

毎年酒蔵で仕込みのお手伝い
毎年酒蔵で仕込みのお手伝い

また、「地酒の美味しさと一緒に、ふるさとの懐かしい味わいも感じてもらえたら」と、店内を民芸風の調度品でまとめている点もユニークだ。木札が鍵になっている下駄箱、酒どころで作られた伝統民芸品、蔵元から譲り受けた本物の杉玉など、隅々まで演出が徹底しており、見どころのひとつとなっている。

料理は四季折々の酒に合わせて、季節ごとに大きく内容が変わる。定番人気は各種のお造りで、豊洲市場からも近い場所ゆえ、鮮度の高さには定評がある。このほか、酒に合わせやすい珍味の数々や、自家製のさつま揚げなども定番人気ということだ。メニューは毎日書き換えられるので、訪れるたびに変わる四季の味を楽しんでほしい。

新鮮な刺身の盛り合せ
新鮮な刺身の盛り合せ

大野さんはここ十数年、懇意の酒蔵に足を運んで、仕込みを手伝うことを継続しているという。そういう立場だからこそ、「作り手が本当に伝えたいこと」を伝えることができるのだろう。「お酒のことならなんでも聞いてください。ただ、ちょっと熱を入れて語り過ぎちゃうかもしれないですけれどね」と大野さん。そんなチャーミングな人柄も、店の人気のゆえんだ。

芝浦の発展を見つめながら、約半世紀の年月をこの地で歩んできた「芝の浦」。二代目店主に受け継がれた今でも、創業当時の「地酒の魅力をもっと多くの人に」という思いはブレることなく、むしろ強化されて、受け継がれているようにも見えた。

作り手の思いを感じながら味わう地酒
作り手の思いを感じながら味わう地酒

小さな蔵元から送られるマニアックな酒には、それを仕込んだ人間の「思い」が色濃く反映されている。そんなお酒にまつわるストーリーを聞きながら時を過ごせば、酒も料理もいっそう美味しく感じられることだろう。そして気持ちよく酔った後には、運河沿いの道をちょっと散歩してみてほしい。爽やかな海風が、火照った頬をゆっくりと冷ましてくれるはずだ。

諸国地酒銘酒処 芝の浦
所在地:東京都港区芝浦3-14-4 
電話番号:03-3769-2038
営業時間:11:30~13:30、17:00~23:00
定休日:土曜日昼、日曜日、祝日
http://shibanoura.com/




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