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時代を超えて和菓子の伝統を守り続ける

菊家

1935(昭和10)年に東京・青山の地で創業した「菊家」。「表参道」駅から徒歩で約6分の場所に位置するこの店は、初代が52歳で鬼籍に入った後、長男が2代目として店を継いだ。それまで和菓子の道に進む考えはなかったため父親に教えを請うたことはなく、作り方も知らなかったという。

2019(令和元)年8月現在、仮店舗で営業中。
2019(令和元)年8月現在、仮店舗で営業中。

そのような場合、他店で修行するという選択肢が考えられるが、“「菊家」の味に他店の味が混ざってしまう”という理由から、二代目は自力で父の味を再現することにした。「菊家」に暖簾分けはなく、また店舗展開もしていない。“一子相伝の技術を守り抜く”を信条としているのは、そうした背景があるからなのだ。

職人技の凄みを感じさせられる
職人技の凄みを感じさせられる

数ある「菊家」の商品の中でも代表的なのは、初代の考案した「瑞雲」。ふんわりとした柔らかい口溶けが特徴的で、その繊細さに魅せられた者は多い。他には、手土産としても人気がある「利休ふやき」も見逃せない。わび茶の完成者として知られる千利休がつくったとされる菓子で、残された文献から再現したもの。ほのかな甘さを決して妨げないその食感は、実際に味わってみなければ理解は難しいほど独特だ。

「利休ふやき」
「利休ふやき」

甘く味付けした丹波の黒豆を砂糖で包んだ「青山」も店の看板商品だ。丹波の黒豆をこれ以上に美味しく味わえる菓子は他にないだろう。これらの定番商品はさることながら、月替りの商品からも目は離せない。和菓子職人として、多くの方により美味しく、より美しく、より楽しんでもらえるよう、日々試行錯誤を繰り返している。

細部に至るまでこだわりが見られる
細部に至るまでこだわりが見られる

なかなかに趣のある佇まいだった「菊家」だが、建物の老朽化により建て直しが決まった。一度は店を閉めることも検討したそうだが、存続を求める声が多数あり、引き続き青山の地で営業を続けることにした(2019(令和元)年8月現在は仮店舗で営業中)。数年後には創業100周年を迎える「菊家」。変化し続ける街に構える、変わらぬ老舗として、これからも店の歴史を刻みつづけることだろう。

大切なご友人などへの贈り物にも
大切なご友人などへの贈り物にも

菊家
所在地:東京都港区南青山5-5-20 
電話番号:03-3400-3856
営業時間:月~土曜日 10:30~15:00(売り切れ次第閉店、木・土曜日は不定期営業)
定休日 : 日曜日、祝日
※2019(令和元)年8月現在、店舗改装中のため仮店舗で営業中
http://www.wagashi-kikuya.com/




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