アンティーク フォンテーヌ
南青山のシンボルのひとつ「骨董通り」。この通り沿いには、その名の通り、今なお数多くのアンティークショップが軒を連ねており、全国からアンティークファンが集まってくる。その中のひとつが「アンティーク フォンテーヌ」だ。フランスのアンティークを専門に扱っているショップで、特にアールデコ、アールヌーヴォーの時代のガラス製品や銀製品に力を入れている。パリで買い付けた良質なアンティークを、適正な価格で買うことができると評判を集めている店だ。
店の歴史はもともと横浜に始まる。熱心なアンティークコレクターだったという創業店主が立ち上げた。その後骨董通りに移転し、現在店頭に立っているのは、創業店主の娘さんである泉乃布枝さんだ。なんと、1年のおよそ3分の1の期間はパリに買い付けに出ているという。
「アールデコ」「アールヌーヴォー」というのは、今から100年~150年ほど前の時代を指すが、その時代のものから、「実用にちゃんと耐えるもの」を探し出して仕入れるのが泉さんのポリシー。そのため欠けや割れのある品物はほとんどなく、すべてが実用可能な状態の品だ。こうした品を揃えるには、パリ中の古物市場を回り、知り合いのバイヤーにひたすら声をかけて事前に用意してもらうなど、手間も時間も非常にかかるのだそうだが、泉さん曰く「アンティークといえど、実際に使ってこそ意味があるものですから」とのこと。彼女の優しい笑顔に会いたくて、店に訪れる人も多いのだろう。
バカラ、ドーム、ピュイフォルカ、サン・ルイ、エミール・ガレ、ティファニーなど、扱っているブランドは数多くにわたるが、中でもアールデコ、ヌーヴォー時代を象徴するデザイナーのルネ・ラリックによる作品群が目を惹く。美しい細工、造形はどこから見ても惚れぼれする美しさで、アンティークながら美術品としての貫禄を持っている。子の代、孫の代まで財産となりうるものであろう。
バカラのガラス製品も数多く並べられている。「同じデザインのものは今もあるんですけれど、ガラスの質も、細工の良さもそれぞれ全く違うんです。アンティークのほうが細工が丁寧だし、味わいがあります。それはバカラに限らずほかの品でも同じですね。ひとつひとつが違う表情を持っているので、ぜひ店にいらしていただいて、実際に手にとっていただきたいと思っています」と泉さん。アンティークとの出会いはまさに、「一期一会」なのである。
泉さんの目によって選び抜かれた豊富なフランス小物が集まる「アンティーク フォンテーヌ」。ぜひ店を訪れて、自分好みの逸品を見つけてみてはいかがだろうか。
アンティーク フォンテーヌ
所在地:東京都港区南青山6-2-2 108
電話番号:03-5778-2623
営業時間:12:00~18:00
定休日:年4~5回買付時のため不定休、年末年始
http://www.antiques-fontaine.com/