HOME >  東京都エリア  >  港区 グルメ  >  ナンディニ 虎ノ門店

インド人シェフが作る本物の南インド料理

ナンディニ 虎ノ門店

広い歩道をもつ開放的な「新虎通り」から1本脇道に入ったところにある「南桜(なんおう)公園」は、界隈のオフィスパーソンからまさに“都会のオアシス”として愛用されている小さな公園。その公園のすぐ目と鼻の先にあるのが、今回紹介する「ナンディニ 虎ノ門店」だ。「ナンディニ」の1号店は清澄白河の住宅地にあり、2号店である虎ノ門店がオープンしたのは2017年のことだ。

「ナンディニ 虎ノ門店」外観
「ナンディニ 虎ノ門店」外観
「ナンディニ 虎ノ門店」店内
「ナンディニ 虎ノ門店」店内

世の中にはいろいろな「食のブーム」が存在するが、インド料理に関して言えば、まさに今流行中なのが「南インド料理」だろう。ここ「ナンディニ 虎ノ門店」は、その南インド料理を専門で提供している店だ。

店の一番の特徴であり、唯一のコンセプトでもあるのは、「インド人シェフが作る本物の南インド料理」。シンプルな一言だが、それは意外と的を得ているものかもしれない。世の中には「インド人以外が作るインド料理」の店舗があまりにも多く存在する。一方、店長のラマナさんは生まれも育ちも南インド。現地のレストランで腕を磨いたのち来日。今は清住白河の店と虎ノ門店を行き来しながら、今では総料理長的な役割を担っている。写真の一番右側がラマナさんだ。

「ナンディニ」スタッフの皆さん
「ナンディニ」スタッフの皆さん

「当時、オフィス街にほとんど南インド料理のお店が無かった。でも、南インド料理を、オフィスワーカーの人も好きになってくれると思ったので」と、この地に2号店を開いた理由を語るラマナさん。実際に、今では平日ランチのコアタイムはほとんどが日本人のビジネスパーソンで、狙いは的中している。

午後少し遅めの時間になれば、インド人をはじめ周辺各国の在日ワーカー達が多く訪れるという。「うちはレギュラーのお客さんが6割以上です。東京、日比谷、神谷町から来てくれるインド人のお客さんもいます」と微笑むラマナさん。週末ともなればさらに多国籍感が増し、「本当にインドにいるような気分になりますよ」とのことだ。

明るい店内
明るい店内
「ナンディニ 虎ノ門店」店内
「ナンディニ 虎ノ門店」店内

ラマナさん以外のスタッフも、全員を南インドの出身者で固めている。ラマナさんが勤めた先から招いた腕利きの料理人に、少年時代からの友人たち。気の知れた仲だからこそ意見も交わしやすく、それが店の雰囲気にも、料理のクオリティにも大いに影響している。

南インド料理の特徴を聞くと、ラマナさんは「ティファンという、パンのような軽食が特徴です。イドリー、ワダ、ドーサなどがあって、これは全部、米や豆を発酵させて作っています。それを蒸したり、揚げたり、焼いたものがティファンです」と答えてくれた。カレーではなく「ティファン」を軸に組み立てられた料理に、スパイスのマジックでさまざまな香りをまとわせる。それが、すべての南インド料理に共通する特徴だ。

ヘルシーなメニュー
ヘルシーなメニュー
種類も豊富
種類も豊富

そして、もうひとつの特徴は「ヘルシー」だという。北インド料理は比較的肉、油、小麦を多く使うのに対し、南インド料理は野菜、豆、米が多め。特にこの店ではベジタリアンにも完全対応しており、看板メニューの「ミールス」をオーダーする際にも、「ベジ」か「ノンベジ」かを選ぶことができる。

「ミールス」は日本風に言えばワンプレートのインド料理盛り合わせで、数種類のカレーとインディカ米のライスに、プーリ(揚げパン)、チキン、ポリヤル(キャベツ炒め)、サンバル(豆のスープ)、ラッサム(酸味のあるスープ)、チャットニ―(野菜のペースト)、ピクルスなどを盛り込んだもの。まずはこの一皿をオーダーすれば「いいとこ取り」ができるはずだ。

ワンプレートのインド料理盛り合わせ「ミールス」
ワンプレートのインド料理盛り合わせ「ミールス」

一品料理の定番は「チキンドライ」という、チキンフライをスパイシーなソースで和えたもの。テイストにごとに南インドの都市の名前が冠されている。写真は「バンガロールチキンドライ」ということだ。

「バンガロールチキンドライ」
「バンガロールチキンドライ」
「ナンディニ 虎ノ門店」
「ナンディニ 虎ノ門店」

ドリンクの人気はラッシー。プレーンをはじめさまざまなテイストがあり、定番はマンゴーだ。単品では、日本人には少し甘すぎる感もあるが、スパイシーな料理と合わせるとこの甘さがむしろ心地よい。

定番のマンゴーラッシー
定番のマンゴーラッシー

「裏メニューもあるんです。このチキンの串焼きも、チャーハンも、マサララッシーも」とラマナさん。足掛けではない本職のシェフ達が作る料理だからこそ、メニュー以外のレパートリーも数多く存在する。リピートすればするほど、深みが増していくことだろう。

本場の人々に支持される理由はもちろん、「おいしさ」である。「ナンディニ」のすべての料理は、日本人の味覚に一切合わせていない、本物の南インド料理だ。店で使う香辛料も、すべて自分たちで砕いて調合しているという。日本人には馴染みのないテイストも多いので、初訪問の時には「?」と思う人もあるかもしれない。しかししばらくすると無性に食べたくなる、無二の存在感がこの店の強みだ。

香辛料も自分たちで砕いて調合
香辛料も自分たちで砕いて調合

インドの音楽が流れ、飛び交っているのは主にヒンディー語。時々英語や日本語も聞こえるが、スパイシーな香りに惹かれていると、ここが日本ということをすっかり忘れてしまう。しかし一歩店の外にでれば、そこには東京のビジネス街が広がっている。

春には桜が楽しめる「南桜公園」
春には桜が楽しめる「南桜公園」

「この南桜公園がすごくいいですね。春は桜もきれいです。うちの料理をテイクアウトして、公園で食べる人も多いです。最近はスーパーマーケットなどライフラインの店も増えたので、暮らしやすい街だと思います」とこのエリアの魅力を話してくれたラマナさん。「辛くないカレーも作れるし、ナンとかポロタとかプーリとか、お子さんの好きなパンもたくさんメニューにありますので、家族みんなで一緒に来てください」とのことだ。

新橋・虎ノ門エリアで気軽に異国情緒を堪能できる「ナンディニ 虎ノ門店」。海外旅行に行きづらくなってしまった今の時代にこそ、ここで味わう「本物の南インド」は貴重なものだ。

ナンディニ 虎ノ門店
所在地:東京都港区西新橋2-22-1 
電話番号:03-6809-2748
営業時間:ランチ11:00~15:00、ディナー17:30~22:30
http://nandhini.jp/




PAGE
TOP