東綾瀬公園のすぐ目の前に、忽然と現れる中世のお城のような洋館。ここは綾瀬が誇る老舗の鞄メーカー「伊藤鞄製作所」のショールームとカフェ。創業は1960（昭和35）年、初代が一人で始めた小さな鞄工房だった。確かな縫製で丈夫な鞄は、百貨店など徐々に販路を広げ、現在ではYohji Yamamoto POUR HOMMEとのコラボレーションでお馴染みの「un metre productions」など、5つのブランドを手がける。その伊藤鞄製作所がカフェを経営しているという。

伊藤鞄製作所は、優れた品質の鞄で名を馳せているが、もうひとつ信頼を得ているのが、リメイク・修理部門があること。使い込んだ鞄を新品同様に再生させることでも有名で、特にランドセルのリメイクが話題となっている。6年間の思い出が詰まったランドセルを、ペンケースや財布、キーホルダーにリメイクしてくれるのだ。伊藤鞄製作所ではランドセルは製作していないので、持ち込まれるのは全て他社の商品。しかし熟練の鞄職人にかかれば、見事に希望の商品に変身してくれる。

もともとは、リメイク・修理部門はなかった。初代の時代は、頼まれると断ることなく商品を修理していたという。そこで見事に再生される鞄は評判を呼び、この技術を残すべきだ、そして職人の育成に力を注ぐため、2014年（平成26）年にショールームをオープンするに伴い、リメイク・修理部門を事業化。「最初は、修理でお待ちになるお客さんにコーヒーをお出ししたいなという思いから、カフェを始めたんです。」と語る広報の伊藤さん。素敵な洋館でいただくランチは好評で、カフェのみの利用も多いのだとか。明るく大きな窓の外は、東綾瀬公園というロケーション。春は桜、秋には紅葉し、まるで高原のリゾートにいるかのような気持ちにさせてくれる。

カフェのメニューは、ランチとティータイムの二部制。その道40年のシェフを招いて、洋食を中心とした料理を提供している。ランチは3種類、人気のメニューは豚ロース肉のピカタ。甘辛のチリソースがアクセントとなって美味しい。ほかにもパスタやハンバーグ、豚肉のソテーなど日替わりで楽しめる。ティータイムにおすすめなのが、小さなケーキ。洋梨や季節のフルーツを使ったケーキを5、6種類用意している。

品質にこだわり、上質な鞄は長く使いたい。ここの鞄は使い込んで、古くなっても修理してくれるという絶対的な安心感がある。大きくとられたショールームでいろんな鞄を見ながら、カフェや食事もできる。長いお付き合いができそうな、とっておきの店だ。

Regalo Felice（レガロ フェリーチェ）
所在地：東京都足立区東綾瀬3-5-7 
電話番号：03-5856-2247
営業時間：11:00～16:30（L.O.16:00）
定休日：日曜日、祝日、GW、夏期、冬期
https://www.ito-kaban.jp/regalo-felice.h..