大江戸線延伸で利便性の向上が期待される大泉学園町
≪都営大江戸線の概要≫
都営地下鉄大江戸線は、都心を一回りする環状部と「都庁前」駅から「光が丘」駅までの放射部で構成され、東京都内の交通アクセスを支える地下鉄として機能している。大江戸線は、1991(平成3)年に「練馬」駅から「光が丘」駅間から開通。1997(平成9)年には「練馬」駅から「新宿」駅の間が延伸され、さらに2000(平成12)年に環状部も開通した。
≪都営大江戸線の延伸計画≫
こうして現在の姿になった大江戸線には、さらなる延伸計画がある。2000(平成12)年の「運輸政策審議会答申第18号」では、練馬区光が丘から大泉学園町までの区間は「2015(平成27)年までに整備着手することが適当」とされ、その先大泉学園町以西の武蔵野線方面については「今後整備について検討すべき」とされた。1988(昭和63)年には、「光が丘」駅以西の延伸を働きかける「大江戸線延伸促進期成同盟」が予定線沿線の町会代表、区長、区議などの参加で設立されるなど、沿線の延伸を望む機運も高まっている。(※1)
≪進む「都市計画道路補助第230号線」の整備≫
大江戸線の延伸計画のルートは「都市計画道路補助第230号線」の地下が予定されている。つまり、補助第230号線の整備が進めば、大江戸線の延伸も期待できるのだ。補助第230号線は、すでに大江戸線延伸予定区間の全線で事業が着手され、2013(平成25)年11月には笹目通りから土支田通りの区間で開通を迎えた。(※2)
残る区間のうち、大泉三丁目地区は2016(平成28)年3月、大泉学園町地区は2017(平成29)年3月の整備完了を目指している。
≪東京都の動き≫
一方、大江戸線の事業主体となる東京都は、「東京都交通局 経営計画 2013」の中で、「大江戸線大泉学園町方面への延伸」について「土地区画整理事業や街路事業などの進捗状況を踏まえながら、関係機関と連携し、事業化について、採算性も含め、引き続き検討」としており、まだ事業化や鉄道免許を取得する段階には至っていない。(※3)
≪練馬区の動き≫
練馬区では大江戸線の延伸の早期実現を目指し、さまざまな取り組みを行っている。2005(平成17)年には、延伸開業時に設置が予想される「(仮称)土支田」駅周辺の土地区画整理事業の事業計画決定など、開業後を見据えた街づくりに着手。さらに、2009(平成21)年には「大江戸線延伸推進本部」を設置し、事業主体である東京都との協議や早期実現のための要請活動を行うほか、2011(平成23)年には「大江戸線延伸推進基金」を設け、2013(平成25)年度上半期時点で7億円が積立てられている。
≪延伸部の駅について≫
延伸部の駅の位置はまだ決定していないものの、練馬区が2012(平成24)年3月に発行したパンフレット「大江戸線の早期延伸に向けて」では、「(仮称)大泉学園町」駅、「(仮称)大泉町」駅、「(仮称)土支田」駅の設置が示されている。「(仮称)大泉学園町」駅は大泉学園通りと補助第230号線の交差点付近が想定され、すでに予定地の一部が空き地になっている。
≪都心へのアクセスが便利に≫
練馬区の試算によれば、開業を予定する新駅から1km圏域平均の住民は、大江戸線の延伸により「(仮称)大泉学園町」駅から「新宿」駅までの所要時間は現在より21分短縮される。また、「六本木」駅や「汐留」駅などにもダイレクトアクセス可能となるため、開通すれば、このエリアの利便性は飛躍的に向上することだろう。(※1)
出典
※1:http://www.city.nerima.tokyo.jp/kusei/machi/kakuchiiki/oedo/index.files/panhu.pdf
※2:http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2013/11/20nb1100.htm
※3:http://www.kotsu.metro.tokyo.jp/information/plan/pdf/plan2013.pdf