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今昔物語レポート

歴史の面影を残しつつも、買い物施設や医療施設、自然豊かな公園が揃う魅力的な街

新宿区の「若松河田」駅周辺に広がるエリアは、若松町と河田町で構成されている。それぞれの地名は、江戸時代に将軍家へ若松を献上したことから若松町、田圃であったことから河田町と名付けられた。2000(平成12)年に都営大江戸線「若松河田」駅が開業して以来、生活利便性が向上。それでいて歴史の面影が残っており、落ち着いた暮らしを享受できるエリアとなっている。ここでは実際に現地を歩き、エリアの今昔物語をレポートする。

「小笠原伯爵邸」を望む風景
「小笠原伯爵邸」を望む風景

若松河田エリアに隣接する町は、江戸時代に武家地や寺町、町屋として利用されていた。一方でエリアには「小倉藩小笠原家下屋敷」や「宮津藩(本庄)松平家下屋敷」、「松江藩松平家下屋敷」などの広い敷地を持つ大名屋敷が建っていたという。現在は住宅街が広がっており、都心の利便性を享受できる暮らしやすい環境となっている。ではどのようにして街並は変化していったのかを見ていこう。

江戸切絵図
江戸切絵図

暮らしやすい住宅街

若松河田エリアの街並
若松河田エリアの街並

明治維新後、大名屋敷は「小笠原邸」、「本荘邸」、「徳川邸」などとなり、華族が屋敷として使用。その後は広い敷地を求めた教育施設やテレビ局などが進出した。たとえば「本庄邸」跡地に移転してきたのが「東京女医学校」で、現在は「東京女子医科大学病院」となっている。他にも医療施設では「旧国立病院医療センター」が、「旧徳川家尾張藩下屋敷」の敷地内に設立。現在は「国立国際医療研究センター」となっている。これらの医療施設は「若松河田」駅から徒歩数分であり、子育て世代やお年寄りも安心して暮らせるエリアとなっている。

旧徳川家尾張藩下屋敷の建物を使用した戦前期の「河田町会館」
旧徳川家尾張藩下屋敷の建物を使用した戦前期の「河田町会館」

駅から徒歩2分

「東京女子医科大学病院」
「東京女子医科大学病院」

「若松河田」駅河田口の前には、「小笠原伯爵邸」が現在でも残っている。1927年(昭和2)年に建築され、2004(平成16)年には東京都選定歴史的建造物に選出。外観はスパニッシュスタイル、室内にはイスラム様式の装備、彩色漆喰彫刻の壁、大理石モザイクタイル貼りの床などが施されている。2002(平成14)年からはスペイン料理店として使用されており、有名ガイドブックで一つ星を獲得。海外でも知られる名店となっている。その他にも駅周辺を歩いていると、和洋中の飲食店が点在しており、外食も多種多様に楽しめるロケーションが広がっている。

現在はスペイン料理店として営業している「小笠原伯爵邸」
現在はスペイン料理店として営業している「小笠原伯爵邸」

駅前には買い物施設も揃っている。スーパー「ライフ 若松河田駅前店」は、「若松河田」駅若松口のすぐ横にあり、日常使いに便利な店舗だ。また、「あけぼのばし商店街」の賑わいも身近に感じることができる。「若松河田町」駅南側に位置する都営新宿線「曙橋」駅との間にあり、昔ながらの商店からカフェまでが所狭しと並んでいる。

自然豊かな公園があり、子育て家族が暮らしやすい環境だ。「戸山公園」は、エリアの一角に広がる都立公園。江戸時代には尾張徳川家の下屋敷があった場所で、1954(昭和29)に敷地の一部が公園として開園した。明治通りを境に箱根山地区と大久保地区に分かれており、遊具や緑地スペース、標高44.6mの箱根山などがある。また、体育の日には流鏑馬が開催されることでも有名だ。

日常使いに便利なスーパー

駅近くにあるスーパー「ライフ 若松河田駅前店」
駅近くにあるスーパー「ライフ 若松河田駅前店」

子供の遊び場にピッタリな公園

緑豊かな「戸山公園」
緑豊かな「戸山公園」

エリア北側には「早稲田大学」があり、文教の香りも感じられる。1882(明治15)年創立の歴史ある学校だが、当初は「早稲田学校」や「戸塚学校」とも呼ばれていたそうだ。これは創立者・大隈重信の別邸が東京府南豊島郡早稲田村にあったこと、校舎が同郡戸塚村にあったことに由来するが、最終的には「東京専門学校」と名付けられた。1892(明治25)年頃には、専門学校の別名として「早稲田学校」と呼ばれるようになり、1902(明治35)年の専門学校から大学への昇格を機に「早稲田大学」に改称された。

早稲田大学(昔)
早稲田大学(昔)
早稲田大学(今)
早稲田大学(今)

このように若松河田エリアは、歴史の面影を残しつつも、買い物施設、医療施設、自然豊かな公園が揃っている魅力的な街並となっている。ちなみに「新宿」駅へアクセスしやすい場所だが、洒落た飲食店が多くある「神楽坂」駅も近いので、大人の時間をすごしたい時にオススメだ。神楽坂は、徳川家康の江戸入府前から町が形成されていた。江戸時代になると、坂沿いは武家地や寺町となり、寺の縁日から賑わいの地へと発展し、繁華街・花街となった。また、このエリアは「関東大震災」で大きな被害がなかったため、さらに賑わいが増して「山の手銀座」とも呼ばれるようになった。現在も坂沿いには様々な店舗が建ち並んでおり、多くの人で賑わっている。

明治後期~大正期の神楽坂の街並み
明治後期~大正期の神楽坂の街並み
神楽坂の「かくれんぼ横丁」
神楽坂の「かくれんぼ横丁」

発見ポイント!

「若松河田」駅前の風景
「若松河田」駅前の風景
  • (1)大規模な医療施設がある安心のロケーション
  • (2)買い物施設が充実した暮らしに便利な街並
  • (3)随所に歴史の面影を感じることができる

歴史の面影を残しつつも、買い物施設や医療施設、自然豊かな公園が揃う魅力的な街
所在地:東京都新宿区 




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