東京都足立区コラム
新田エリアの成り立ちと発展 足立区新田エリアは区の最も西側、隅田川と荒川の間に位置している。この付近では江戸時代初期に鹿浜村の開発地として「鹿浜新田」が開拓され、「新田稲荷神社」もこの頃に創建されたという。また、明治末期には鹿浜新田と鹿浜本村の間に荒川放水路(現・荒川)が開削され、新田エリアは隅田川と荒川放水路に囲まれた潤い豊かな街となった。 1955(昭和30)年、荒川放水路の河川敷に「東京都民ゴルフ場(現・新東京都民ゴルフ場)」が誕生。交通の利便性も良く、都心に最も近いゴルフ場であることから、プロゴルファーに練習場として注目された。また、1960(昭和35)年には戦前から行われてきた新田土地区画整理事業が完了を迎え、現在の新田エリアの街の基盤が整えられている。1965(昭和40)年、環七通りと鹿浜橋の開通により、再び鹿浜本村と鹿浜新田が直接結ばれるようになったことで、自動車の交通アクセス性が飛躍的に向上した。 近年の再開発で暮らしやすい住宅地へ進化 その後、新田エリアではアクセス利便性を活かし大規模な宅地開発が行われる。その代表が都市再生機構(UR)による街づくりが行われた「ハートアイランド新田」。2012(平成24)年にすべての開発が完了している。 新たな住民により人口が増加したことから、新田エリアでは都市インフラの整備も行われている。1999(平成11)年に完成した「新田リバーステーション」は緊急用船着場の第1号として注目されたほか、2004(平成16)年には「ベルク 足立新田店」、2008(平成20)年に「新田メディカルスクエア」など暮らしを支える施設も続々と開業。 さらに、2010(平成22)年に「新田さくら公園」が開園、2013(平成25)年に「新田わくわく水辺広場」が全面開園、2017年(平成29)年に「新田稲荷公園」が開園するなど、公園や緑地も整備されている。 恵まれた生活利便性と豊かな自然 新田エリアは周囲を川に囲まれているという地理的条件から、生活利便施設がコンパクトにまとまり使いやすいことも魅力となる。「新田住区センター」には地域学習センターや図書館、児童館といった施設に加え、「足立区役所 新田区民事務所」も併設されているため、あらゆる行政サービスをここで利用できる。買い物も新田二丁目の商店街やスーパーマーケット「ベルク 足立新田店」があり、遠くまで行く必要はない。 教育・子育ての場としても恵まれている。新田エリアの通学校である「足立区新田学園」は足立区内で2校しかない小中一貫校のひとつで2010(平成22)年に開校。2013(平成25)年には第2校舎も開設されている。前身の「足立区立新田小学校」は1883(明治16)年開設という歴史を誇り、伝統を受け継ぎながら最新の教育を受けることができるのもこのエリアに暮らすメリットだろう。 このエリアでは子育て世代のファミリーが増えたため、教育・子育て施設の整備も積極的に行われてきた。なかでも保育園は「ココロット保育園」「新田おひさま保育園」「新田三丁目なかよし保育園」「ぴっころきっず新田」などが続々と開園し、区内でも有数の保育園が充実したエリアになった。2012(平成24)年には「ハートアイランド新田キッズルーム」もオープン、親子サロンや幼稚園送迎ステーションなどの子育て支援が行われている。小児科をはじめ各科のクリニックや救急を扱う病院が近いのも心強い。 荒川河川敷の「新田わくわく水辺広場」や隅田川沿いにも「隅田川テラス」など身近で自然を満喫できることも魅力になる。隅田川沿いの桜並木をはじめ、「新田さくら公園」や「新田緑道」など四季の移ろいを感じられる散策スポットも多い。荒川沿いにはグラウンドやサイクリングロードが整備され、ウォーキングやジョギング、サイクリングでリフレッシュすることも可能だ。 交通アクセスにも恵まれている。「新田一丁目」停留所から「王子」駅方面に向かうバスは本数が多く、「新田一丁目」停留所はバスの始発になっているため、座って移動できるのもうれしい。また、東京メトロ南北線の「王子神谷」駅は徒歩や自転車で行ける距離にあり、「飯田橋」駅や「溜池山王」駅方面に向かう場合は、直接「王子神谷」駅に行くのが便利だ。 エリア内を環七通りが通るこのエリアは自動車も利用しやすい。荒川の堤防沿いにも北千住方面に伸びる都道449号新荒川堤防線が通っているほか、新田学園通りや新豊橋の開通で王子方面へのアクセスもさらに便利になった。環七通りの鹿浜橋を渡れば首都高速の「鹿浜橋」出入口も近く、高速道路にも短時間でアクセスできる。 近年の開発で生活利便施設が充実した足立区新田エリアは、今、暮らしやすい住宅地として注目を集めているホットな街だ。