手厚い住民サービスを実現できる秘密は府中市の財政にあり

府中市では子育てや福祉をはじめとした住民サービスが手厚く、暮らしやすい街づくりにつとめている。
市税の人口一人当たりの負担額が19万1,612円なのに対し、市民一人当たりの予算額が38万9,111円と、市税の負担に対する市の行政サービス量は約2.03倍となっている（令和元年度予算）。

地方公共団体の財政力を示す「財政力指数」は、指数が1を超えるほど財政力の強い自治体であることを示す指標。府中市は1.228となり、多摩地域で3番目に大きい数値となっている。（1位は武蔵野市1.539、2位は調布市1.273）※2016（平成28）年度決算

また、一般財源のうち、経常的に支出される経費の財源にどのくらい使われたかを示す「経常収支比率」は、2016（平成28）年度は83.2％となり、多摩地域で2番目に低い比率だった（1位は武蔵野市の80.8%）。経常収支比率は、比率が低いほど、自由に使えるお金の割合が増え、財政構造の弾力性が大きいことを示している。
これらの数字からも府中市が財政力に優れ、住民サービスに使える予算が多いことが分かる。

府中市では、施設の整備や福祉施策の充実などの目的を達成するため、20の基金を設置している。大規模事業などを計画的に進めるため、あらかじめ積立てを行い、必要に応じて取り崩すとともに、年度間の負担調整の役割を果たす「特定目的基金」と、臨時の事業や景気の変動、災害などに備え、剰余金など財源に余裕がある時に積立て、万一の時に備える「財政調整基金」があり、これらを合計すると、2017（平成29）年度末時点で約641億円の積立金がある。

様々な面から子育て世代をサポート

様々な住民サービスの中でも子育て関連のサポートが充実している。「子ども医療費助成」は、0～15歳までの子どもが健康保険診療でかかった医療費の自己負担分を所得制限なしで助成している（※ただし、高額療養費及び入院時の食事療養標準負担額を除く）。また、認可外保育所に預ける保護者への補助として、東京都認証保育所または東京都の指導基準を満たす認可外保育施設の利用者に対して、月2万円から4万円を補助している（補助額は市民税所得割額に応じて決定）。

ソフト面でも、予防接種や定期検診のほか、「産前産後家庭サポート事業（家事・育児支援ヘルパー）」や「新生児訪問（こんにちは赤ちゃん事業）」、パパママ学級や離乳食教室といった「母子保健事業」、さらには「一時預かり・定期利用保育事業」や「リフレッシュ保育」、「ショートステイ事業」など一時的な子ども預かりや育児援助も実施している。

「地域子育て支援センター」や「子ども家庭支援センター」、「子育てひろば」といった親子で利用できる施設も充実しているので、同世代の子どもを持つ親同士の交流や子育て相談などもしやすいだろう。

シニア世代もいつまでも元気に暮らせるように

子どもだけでなく、高齢者に向けたサービスも充実させ、年代を問わず活き活きと暮らせるようにサポートしているのも特徴だ。高齢者向けには「長寿祝い金」や「満100歳長寿祝い訪問」などの敬老活動を実施している。また、「地域包括支援センター」が11ヵ所設置されており、地域で暮らす高齢者を介護・福祉・健康・医療など、様々な面から総合的に支援している。

教養・健康増進などの生きがいを高める老人クラブの活動も盛んで、2016（平成28）年度現在で90クラブが活動している。活動内容もグラウントゴルフやペタンク、カラオケ、舞踊、旅行、将棋など多彩なので、新たな趣味仲間もできそうだ。

さらに、文化センターや公会堂などでは健康長寿を目指して「介護予防事業」も行っており、介護予防講座やふちゅう元気アップ体操、ほっとサロンといった活動を実施している。

このように、様々な住民サポートを行っている府中市では、老若男女問わず元気で楽しい暮らしを送れることだろう。