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大名屋敷の面影を遺す回遊式庭園

旧芝離宮恩賜庭園

旧芝離宮恩賜庭園
旧芝離宮恩賜庭園

JR「浜松町」北口から徒歩1分、「旧芝離宮恩賜庭園」は「小石川後楽園」と共に、今東京に残る江戸初期の大名庭園である。明暦の頃、海面を埋め立てた土地を1678(延宝6)年に老中・大久保忠朝が4代将軍家綱から拝領したのがはじまり。忠朝は屋敷を建てるにあたり、藩地の小田原から庭師を呼び庭園を造ったといわれている。当時、素晴らしい景観を望む庭園は「楽壽園(らくじゅえん)」と呼ばれていた。電車もない江戸時代、小田原からわざわざ庭師を呼ぶというこだわりは、忠朝の庭園にかける強い思いを忍ぶことができる。

旧芝離宮恩賜庭園
旧芝離宮恩賜庭園

幾人かの所有者を経たのち、1872(明治4)年には有栖川宮家の所有となり、1875(明治8)年に宮内省が買上げ、1876(明治9)年に芝離宮となった。1923(大正12)年の関東大震災では建物や樹木に大変な被害を受けたが、皇太子(昭和天皇)のご成婚記念として東京市に下賜され、園地は復旧と整備が施された。1924(大正13)年4月20日に一般公開されると多くの人で賑わう園となり、1979(昭和54)年6月には、文化財保護法による国の「名勝」に指定されている。

旧芝離宮恩賜庭園
旧芝離宮恩賜庭園

42,035.40平方メートルの敷地内にはさまざまな見所がある。なんと言っても庭園の中心にある泉水。その周りを回遊すると、庭園は多彩な表情を見せてくれる。かつて、この池は海水を引き入れた「潮入りの池」だった。引き潮の時は中島から浮島に渡れたり、潮の干満により州浜や島々の風景が劇的に変化したといわれている。また、数々の名石が用いられた庭造りも必見の価値あり。根府川山や中島の石組や、泉水の護岸に使用されている富士の黒朴石など、数百年前から紡がれてきた歴史の深みを感じてもらいたい。

旧芝離宮恩賜庭園
旧芝離宮恩賜庭園

春にはサクラやフジ、夏にはハナショウブやキキョウ、冬にはウメなど季節の移ろいに合わせて変化する草花の芽吹きも楽しめる。通常開演しているときは、毎週土・日曜日の午後2時から、庭園の無料ガイドも行っている。桜の演奏会や七夕、工作教室など1年を通してイベントも催されるので近隣に暮らす際にはぜひ足を運んでほしい。きっと癒しを得られるはずだ。

写真提供: (公財)東京都公園協会

旧芝離宮恩賜庭園
所在地:東京都港区海岸1 
電話番号:03-3434-4029(旧芝離宮恩賜庭園サービスセンター)
開園時間:9:00~17:00(入園は16:30まで)
休園日:年末年始(12/29~1/1)
※イベントやGWなどで開園時間や休園日の変更あり
https://www.tokyo-park.or.jp/teien/conte..




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