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江戸城の鬼門除けに創建された神社

柳森神社

奥にある本殿
奥にある本殿

JR山手線・京浜東北線・総武線、東京メトロ日比谷線「秋葉原駅」から徒歩5分。オフィスビルに囲まれた「柳森神社」は、江戸城の鬼門除けとして、1457(長禄2)年に創建されたという由緒ある神社だ。
神田川沿い、歩行者専用の「ふれあい橋」を駅側から須田町方面に渡るときによく見える。鳥居をくぐると境内に降りる階段があり、本殿が鳥居より下にあるのが珍しい「下り宮」だ。

江戸城を築城した太田道灌(どうかん)が、鬼門除けに植樹した柳の森に京都伏見稲荷大明神の来臨を願ったのが由来で、本殿には伏見稲荷大社の主祭神とされる倉稲魂大神(くらいなたまのおおかみ)が祀られている。

小さな神社ながら、宇気母智神(うけもちのかみ)というお狐様を祭神とする「明徳稲荷神社」、防火鎮守の「秋葉大神」、龍神様である「水神厳島大明神・江島大明神」など、本殿とは別に境内社が7つもあり、また、昔の若者らが力試しに用いたとされる「力石(ちからいし)」や、入り口の階段脇にある富士講関係石碑群も千代田区の有形民俗文化財に指定されている。

福寿神祠
福寿神祠

最も有名なのは、五代将軍・綱吉の生母である桂昌院が江戸城内に建立したとされる「福寿神祠」だろう。福寿神は珍しいたぬきの神様で、「おたぬきさま」として親しまれている。
「たぬき」=「他を抜く」と掛けて、学問や出世、勝負事のご利益があるとされる。
庶民の出ながら、三代将軍・家光の側室となった桂昌院は、“玉の輿に乗る”という言葉の由来となった、当の本人。彼女にあやかろうと、大奥の女中たちもこぞってこの社を崇敬したという。

竜神様を祀る「水神厳島大明神」
竜神様を祀る「水神厳島大明神」

柳森神社にはたくさんの神様が祀られており、創建の理由に由来する「方位除け」、倉稲魂大神のご神徳による「衣食住安心」「商売繁盛」、福寿神のご神徳による「勝負運向上」「良縁成就」など、多くのご利益が期待できそうだ。

「烏森神社」、「椙森神社」とともに“江戸の三森(さんしん)”として崇敬された「柳森神社」。江戸時代は徳川家から社殿造営の寄進を受けるなど大いに栄え賑わったという。今は、賑やかな商店街とは距離があるため静かで、境内のベンチには、休憩中なのか一息つくサラリーマンの姿を見かけることもある。まさに都会に居ながらにして、都会の喧騒を忘れさせてくれるような、パワースポットだ。

富士講関係の石碑
富士講関係の石碑
境内にある金刀比羅神社(ことひらじんじゃ)
境内にある金刀比羅神社(ことひらじんじゃ)
境内にある「力石」群
境内にある「力石」群

柳森神社
所在地:東京都千代田区神田須田町2-25-1 
電話番号:03-3251-6422
拝観時間:7:00~17:00
定休日:なし
http://www.tokyo-jinjacho.or.jp/chiyoda/..




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