2004（平成16）年に誕生して以来、数々のメディアにも登場しており、道具街を訪れる買い物客にとって、定番の休憩場所となっている。にぎやかな合羽橋の街並みから、扉を開けた瞬間、シンプルモダン、かつシックな空間へと一変するのだから、初めて入った時の感激はひとしおだ。

もちろん空間だけではなく、コーヒーもその名に恥じないこだわりの逸品だ。豆は神戸にあるスペシャルティコーヒー専門の焙煎店「萩原（はぎはら）珈琲」から仕入れたものを使い、店内で注文後に挽いて、カウンターのドリッパーで1杯ずつ丁寧に淹れている。他店では2杯、3杯と同じ銘柄のオーダーがあればまとめて淹れるのが普通だが、この店は同じオーダーが重なっても必ず1杯でドリップする。これも味を安定させるためのこだわりだ。

 

コーヒーは特注ブレンドが「ソフト」「マイルド」「ストロング」の3種類。このほか数種類のストレートと、ラテ系、アメリカン、アイス系各種などがひと通り揃っており、「コーヒーなら何でもあり」という充実度だ。コーヒー以外にも紅茶、ハーブティー、ビールなども扱っている。

フードメニューについては、朝から夜まで通して提供されるのがトースト類のみで、11時以降になると、サンドイッチ、せいろご飯、スープカレーの提供が始まる。ちょっと意外な組み合わせかもしれないが、美味しさについては定評がある。甘味は黒蜜パフェ、クレープ、コーヒーゼリーなど少数精鋭の品を店内で手作り。中でも一押しは、「抹茶のチーズケーキ」ということだ。

雰囲気もコーヒーも、物腰柔らかなスタッフの接客も、程よい放置具合も、すべてに通じているのは、お客さんに「居心地の良さ」を提供したいという願いからだろう。合羽橋を散策するということは、色々な商品やサービスに出会い、いろいろな人と話をして、それなりに疲れるということでもある。「合羽橋珈琲」はそういった人々のために、しばしの休息と安らぎを、間違いなく届けてくれるはずだ。

合羽橋珈琲
所在地：東京都台東区西浅草3-25-11 
電話番号：03-5828-0308
営業時間：8:00～20:00（L.O.19:30）
http://www.kappabashi-coffee.com/