地域・保護者・学校の結びつきが育む学校の魅力/東村山市立富士見小学校 校長 三田村慎一 先生
東村山市立富士見小学校
校長 三田村慎一 先生
地域・保護者・学校の結びつきが育む学校の魅力
1986(昭和61)年の開校より、地域・保護者・学校の結びつきのなかで独自の教育活動を展開してきた「東村山市立富士見小学校」。富士見町らしさを生かした“富士見ブランド”を特色として掲げ、地域の方を“ゲストティーチャー”として招き、学びの機会を増やす魅力的な学校運営を実践しています。今回は2014(平成26)年4月に着任した三田村校長先生に、学校の特色と地域の魅力についてお話を伺いました。
まず、学校の沿革と特徴について教えてください。
「東村山市立富士見小学校」は市内に15校ある小学校のなかでも、もっとも新しい学校として1986(昭和61)年に開校いたしました。生徒数は2014(平成26)年現在で、390名程です。
学校のある富士見地区は、戸建てを中心とした穏やかな地域で、保護者や卒業生はもちろん住民の方との結びつきも強く、地域の方が学校の行事や活動に熱心に取り組んでくれるのが当校の特徴だと思います。
地元の民謡連盟が主導して行う「東村山音頭」は、当校の運動会を象徴するイベントのひとつで、民謡連盟の方の三味線にあわせて保護者も児童も一緒になって踊ります。運動会前にはお昼休憩に集まってみんなで練習をするほどで、行事の規模とその質の高さは市内でも随一だと思います。
また「土曜子ども講座」というボランティア活動があるのですが、地域の方と保護者が主体となって、スポーツや工作体験、和太鼓、親子料理教室など、子どもたちに新たな体験と発見を提供する場として土曜日に開催されています。また平日の放課後にも空き教室を利用した「放課後子ども教室」が週に2〜3回開催されていて、そこにも地域の方の協力は欠かせません。
「土曜子ども講座」の他にも、特色のある教育活動がありましたら、教えてください。
まず、当校は「理数フロンティア校」として取り組んでいます。これは理数離れが深刻な現在の教育事情をふまえ、2年間の取り組みとして東京都の教育委員会が指定するものです。理数教育に対する先進的な取り組みと、各区市町村の理数教育における中核的な役割を担う学校として、前任の校長先生が推し進めたものです。
その結果、旺文社が主催する「全国学芸サイエンスコンクール」において、理科自由研究部門(小学生の部)で当時小学4年生の児童が文部科学大臣賞となる〈金賞〉を受賞しました。「理数フロンティア校」としての指定は2年間の取り組みを終え今年度末でいったん終わりますが、当校の特色のひとつとして今後も理数教育を推進していく予定です。
他には、「富士見わくわくプラン」という活動もあります。これは、子どもたちの夢や目標を育むための活動を指し、2013年は車いすバスケの選手を招いて、障がい者スポーツに触れる交流活動を行いました。また毎年行っている音楽会や図工作品展も子どもたちにとっての表現活動のひとつで、「富士晴れトンネル」と呼ばれている見晴らしの良い3階の渡り廊下で毎年作品を展示しています。
「富士晴れトンネル」など、校舎の設計やデザインも印象的ですね。
私自身も2014(平成26)年に着任したばかりで、はじめて目にしたときは驚きましたが、校内にはいろいろな設計上の工夫が盛り込まれています。先ほどお話しました、作品展が行われる「富士晴れトンネル」では天気が良い日には富士山を眺めることができます。
また1階と2階にはテーブルを据えた共有スペースがあり、教室以外でも過ごせる場所が設けられています。2階には鍵盤ハーモニカと同じく22個の鍵盤があるオルガンもあり、「どこから音が聞こえて来るんだろう?」と校内を歩いていたら、子どもたちが自由に演奏しているのを見てびっくりした記憶があります。
ほかにも、上履きで遊べる中庭や採光を意識した明るい下駄箱など、工夫やアイデアが詰まっています。図書館には木のぬくもりが感じられる机や、自由な姿勢で読書を楽しめる小上がりの畳もあり、子どもたちが快適に過ごせる環境が整っていると思います。
また、現在2015(平成27)年3月末までの予定で外壁の塗装工事を進めておりまして、春にはますます綺麗になった校舎で新入生を迎えられると思います。
今年、先生が着任した際に掲げた目標やプランについて教えて頂けますか。
理科を専門とする前任の校長先生が「理数フロンティア校」へと導いたように、サッカー選手としての経験を生かしスポーツ振興にも携わってきた私は、生涯スポーツを通じて運動に親しむことの大切さを伝えて行きたいと思います。
当校の隣には規模の大きな「東村山中央公園」がありますし、スポーツ少年団や地域の団体に所属して野球やサッカーをする子どもは校庭を利用することができるため、本格的にスポーツに取り組みたい子どもにとっては恵まれた環境だと思います
この近辺では野球とサッカー、バスケットボールも盛んで、卒業生のなかには国体のバスケットボール選手として活躍した子どもや、サッカーのクラブチームに所属している子どももいます。
最後に富士見町の魅力、また子育て環境として優れている点について教えてください。
「東村山私立富士見小学校」の隣にある「東村山中央公園」は、子どもたちにとっての恰好の遊び場となっています。昆虫採集やどんぐり拾いもできますし、公園中央の芝生の広場も広々としていて開放的です。
遊びたい子どもは「東村山中央公園」、本格的にスポーツをしたい子どもは校庭に、とそれぞれ分かれているのも環境として良いのかも知れません。
地域の方の学校への協力も充実していますし、「土曜子ども講座」や「放課後子ども教室」があることで、共働きのご夫婦も安心して子育てをすることができていると思います。今後は、市とも連携して「放課後子ども教室」の開催日を増やしてもらえるように働きかけていく予定です。
“がんばるときはいつも今”を胸に、校長としてできることを精一杯子どもたちに伝えて行こうと思います。
今回、話を聞いた人
東村山市立富士見小学校
校長 三田村 慎一 さん
東村山市立富士見小学校
所在地:東京都 東村山市富士見町5-4-57
電話番号:042-391-8194
URL:http://higashimurayama.ed.jp/e15-fujimi/
地域・保護者・学校の結びつきが育む学校の魅力/東村山市立富士見小学校 校長 三田村慎一 先生
所在地:東京都東村山市富士見町5-4-57
電話番号:042-391-8194
http://higashimurayama.ed.jp/e15-fujimi/