哲学堂公園
「哲学堂公園」は、西武新宿線「新井薬師前」駅から徒歩12分、都営地下鉄大江戸線「落合南長崎」駅から徒歩13分の場所にある、約53,000平方メートルの区立公園。哲学者で「東洋大学」創立者、井上円了博士が、1904(明治37)年に「哲学館大学(現・東洋大学)」開設を記念して、孔子・釈迦・カント・ソクラテスを祀った「四聖堂」を建立、「哲学堂」と称したことに始まる。1906(明治39)年には、哲学世界を視覚的に表現し、哲学や社会教育の場「精神修養公園」として整備。建造物・石造物・地象・植物・空間と、77ヵ所に点在する見どころは「哲学堂七十七場」と呼ばれ、七十七場をひと巡りすることで“ものの考え方”が体系的に学べるよう設計されている。
精神修養公園は、1944(昭和19)年に東京都へ寄付され、都が運動施設などを追加。1975(昭和50)年に中野区に移管されて、「中野区立哲学堂公園」となった。その後も、1984(昭和59)年に古建築物6棟が区の有形文化財に、1988(昭和63)年には公園全体が区の有形文化財に指定。2009(平成21)年には東京都名勝公園にも指定され、現在では中野区を代表する観光名所のひとつとなっている。
広大な園内には、野球場やテニスコート、弓道場といった運動施設も整備され、それらの施設では「コアトレーニング+ヨガ」といった、さまざまなイベントやプログラムも開催。また、古建築物や豊かな自然を利活用した講座も多数あり、哲学堂公園や井上博士について学ぶ「哲学堂公園講座」、樹木の剪定技術を学ぶ体験教室「剪定講座」などを定期的に開講するほか、園内から出た廃材を使用する「廃材木工クラフト」、「星空観察会」や「植物観察会」など、子どもが楽しめる企画もあり、年間を通して幅広い世代が参加できる催しが行われている。
また、都内有数のお花見スポットとしても人気で、春に開催される「哲学堂桜まつり」では、毎年多くの人で賑わう。ソメイヨシノ、ヤマザクラ、サトザクラなど園内で咲く約100本の桜は、「六賢台」を背景にしたり、妙正寺川沿いに連なったりと、各所で美しい景色を見ることができる。
桜のほかにも、梅、紫陽花、紅葉など、四季折々の景観を楽しむことができ、区民の憩いや健康増進の場として親しまれている。
哲学堂公園
所在地:東京都中野区松が丘1-34-28
電話番号:03-3951-2515
開園時間:8:00~18:00(10・11月は17:00まで、12月~2月は9:00~17:00)
休園日:年末(12/29~12/31)
https://tetsugakudo.jp/