ラ・ローザンヌ茅ヶ崎店
国道134号線から北に300mほど進むと、左手に「ラ・ローザンヌ茅ヶ崎店」の瀟洒な建物が見えてくる。石渡シェフの修業先であるスイス・ローザンヌで見かけたという建物がベースになっている。父も祖父も料理人だったという石渡シェフだが、自身は料理人をなることを目指さず、将来的に独立しやすいという理由から洋菓子の道に進む。
スイス・ローザンヌでの修業期間は約1年。洋菓子の勉強が目的だったが、そこで提供される料理の下ごしらえや、皿洗い、まかない料理も任されたという。料理を大きく捉え、菓子づくりもその一部であるというその考えは、洋菓子・料理を提供している「ラ・ローザンヌ茅ヶ崎店」の現在のスタイルに結果として繋がったと言えるだろう。
帰国後は、広島、東京の店舗で働き、しばらくして“辻堂に良い物件がある”との情報を得る。辻堂、茅ヶ崎は、石渡シェフが学生時代にサーフィンをするため何度も訪れていた街。そうした縁もあって、1980(昭和55)年に辻堂で店を出す。茅ヶ崎に移ってきたのは、その6年後のことだ。ちなみに辻堂店は、販売専門店として石渡シェフの息子さんが切り盛りしている。
洋菓子店として創業するが、やがて料理も提供するようになった。「ラ・ローザンヌ茅ヶ崎店」を洋菓子店として捉えるか、またレストランとして捉えるかは人によって様々だ。レストランとして紹介するのであれば、「地鶏の皮パリッと焼き」がおすすめだ。平日のランチタイムは、パン、サラダ、スープ、ケーキ、珈琲がセットになる。
しかし洋菓子店として創業しただけに、やはり味わうべきは洋菓子、それも焼菓子だ。香料、安定剤、ショートニングといった添加物は使用せず、シンプルに砂糖とバターだけで焼上げている。フルーツをあしらった生菓子のような華やかさはないが、口にしたときの味わい深さは余韻となって残るほど。本物を知り、本物を楽しむという意味では、同店の焼菓子は正に相応しい。
ラ・ローザンヌ茅ヶ崎店
所在地:神奈川県茅ヶ崎市東海岸南4-11-24
電話番号:0467-85-8810
営業時間:10:30~20:00
定休日:不定休