井戸水に放してあるうなぎを注文が入ってからさばき、焼いていくので時間はかかるが、待つだけの価値は十分ある。身はふっくらやわらかく、食べるに従い思わず笑みがこぼれてしまう。さすがに、うなぎの激戦区だけあって、手ぬきなしの味である。これで1,200円とはかなりお値打ちではないだろうか。

こちらは、ひれの先まで丁寧に化粧された「鮎の塩焼き」。形は大ぶりで、取材に訪れた9月は落ち鮎の季節。お腹にはたっぷりの卵を持ち、一口食べると口からはみ出しそうな卵の多さにびっくりする。多治見では、日本の各地から陶器の買い付けや商談に人々が訪れるため、岐阜の名産である鮎は料理に欠かせないそうだ。

煮物も必ず大皿に何品か用意。お袋の味（親父の味）は酒の肴に、ご飯のおかずになくてはならない一品だ。

メニューは、天ぷら定食（1,300円）、天丼（1,200円）、うなぎの長焼き定食（2,500円）、海鮮丼（1,500円）などのほか、会席料理も相談に応じて対応してくれる。

なにより嬉しいのは、定食も予算に応じて用意してもらえるという点。お値打ちであることは間違いないので、お店に寄った際には一度尋ねてみてほしい。

頑固なまでに食へのこだわりと料理に対する信念を持つ店主と、気立てが優しく、店主を守り、立てる女将さん。ふたりの息がぴったり合ったどこか懐かしさを感じるお店である。地元にとどまらず、この地を訪れた人々にもいつまでも愛され続けていくことだろう。

※本文中のメニュー・価格等は取材時のものです。変更している場合がありますのでご了承ください。

竹亭
所在地：岐阜県多治見市大畑町5-246 
電話番号：0572-23-3202
営業時間：11:30～14:00、17:00～22:00
定休日：月曜日
http://j47.jp/chikutei/