万葉の偉人もIT業界のビジネスマンも憧れる、魅力あふれる街・白浜町
紀伊半島の南西部に位置する和歌山県白浜町。大阪市内から車で2時間程度という近さで温泉や海水浴を楽しめることから、リゾート観光地として人気が高く、1年間に300万人以上の観光客が訪れます。今回は「白浜温泉旅館協同組合」の栗栖玲子さんに、白浜町の暮らしやすさや観光地としての魅力、これからの街の未来についてお話をお伺いしました。
――「白浜温泉」の泉質や、温泉地としての歴史について教えてください。
栗栖さん:「白浜温泉」は、兵庫の「有馬温泉」や愛媛の「道後温泉」と共に「日本三古泉」のひとつに数えられ、その始まりは1300年以上も前にさかのぼります。『日本書紀』には有間皇子から「白浜温泉」の噂を聞いた斉明天皇が658年にはるばる奈良の都から訪れたと記され、当時は「牟婁(ムロ)温湯」「紀温湯」といった名称で呼ばれていたようです。白浜温泉の泉源は複数あります。近くの泉源といっても、少しずつ泉質が違います。例えば、公衆浴場「牟婁の湯」などに供給されている砿湯源泉は、含硫黄-ナトリウム-塩化物強塩温泉で白浜を代表する泉質です。
――温泉と一緒に楽しめる魅力を教えてください。
栗栖さん:長年、白浜に住んでいますが、一年中暖かくて自然に恵まれたところが魅力です。昔から雄大な太平洋が間近にせまる露天風呂「崎の湯」には、海水浴を兼ねてよく行ってきました。泉源も近くて良いお湯が出ているのでおすすめです。また、天然のクエが食べられる街としては日高町が有名ですが、近畿大学水産研究所が養殖クエの人工ふ化と飼育に成功して以来、「白浜温泉旅館協同組合」が白浜の食材として宿泊のお客様に提供できるようになりました。幻の魚と呼ばれたクエをお手頃な価格で、一年中食べられるようになったことから、今では白浜の新しい名物になっています。クエは鍋料理や薄造り、ひれ酒にしてもおいしいですよ。
――「白浜温泉旅館協同組合」での取り組みについて教えてください。
栗栖さん:現在は25軒の旅館やホテルが加入し、「白浜温泉」の魅力を発信しています。去年からスマホで見られるホームページにリニューアルしたので、多くの方にご利用いただけるようになりました。観光に関する情報は観光協会、宿泊に関する情報は旅館協同組合というように役割分担をしています。
――「しらはま和みコンシェルジュ」の活動と利用方法について教えてください。
栗栖さん:「しらはま和みコンシェルジュ」は、白浜にお越しいただいたお客様に、白浜をはじめ、和歌山県でたくさんの楽しい思い出を作っていただくのをお手伝いをするスタッフのことです。白浜で体験できるメニューは、ダイビングやスノーケリング、クルージング、ビーチヨガ、レザークラフト、陶芸、ランプ作りなどです。体験プログラム以外でも、隠れスポットやお得な情報などもご案内しています。4月から10月まで月2回開催しているビーチヨガは女性はもちろん、男性にも人気がありますね。
――特に人気のイベントがあれば教えてください。
栗栖さん:数あるイベントの中でも、「メッセージ花火」とイルミネーションは多くの方に喜んでいただいています。「メッセージ花火」は、6,000円で花火を購入していただき、60文字以内のメッセージを読んでから白良浜で花火を上げるというものです。2002(平成14)年から夏休み期間に合わせて開催しています。なかには、プロポーズをする方などもいて、とても盛り上がりますね。4号玉の花火は120メートルの大きさなのでかなりの迫力です。
12月にはアカペラコンサートを開催しています。カウントダウン花火や年越しそばの振る舞いなど、年末年始のイベントも充実しています。私のおすすめは、白良浜に2000個以上のキャンドルを並べるキャンドルイルミネーションです。希望者には、キャンドルにメッセージを書いていただいています。10月に開催していますが、白良浜がキャンドルの光で包み込まれる様子はとても幻想的です。
また、「大阪芸術大学」の学生さんに来ていただき、旅館やホテルのロビーでコンサートを開催しています。会場は「湯快リゾートプレミアムホテル千畳」や「SHIRAHAMA KEY TERRACE ホテルシーモア」などです。ロビーには自由に出入りできるので、宿泊のお客様だけでなく、たくさんの方にご来場いただいています。毎年開催しているトライアスロン大会も今年で7回目を数えます。また、フライングディスク競技の一種「ビーチアルティメット」の国際大会も開催していますね。そのほか、子どもも大人も参加できるビーチラグビーも人気です。白浜の地形や景観を生かしたスポーツイベントは、今後も増えていくと思われます。
――ほかの温泉地・観光地にはない、白浜の魅力はどのようなところだと思いますか。
栗栖さん:以前は白浜の見所といえば、温泉と海水浴というイメージでしたが、現在は四季折々にさまざまな催しを行っているので、年間を通じて楽しんでいただけるところだと思います。春は約2000本の桜が咲き誇る「平草原公園」、夏は海水浴、秋は臨海浦の南海上に浮かぶ円月島に沈む夕陽、冬は温泉めぐりなどです。スキューバダイビングのスポットも多く、海の美しさに魅せられて都会から移住してくる方も増えています。誰でも気軽に利用できる温泉がいたるところにあるのも大きな魅力かもしれません。
街自体がとてもコンパクトなので、レンタサイクルに乗って白浜を周るのもおすすめです。坂道が多いのですが、電動アシスト付きのマウンテンバイクも貸し出しているのでご安心ください。三段壁や千畳敷、円月堂を周り、疲れたら足湯スポットに立ち寄るなど、周遊コースもいろいろご用意しています。
――暮らす場所として考えた時、白浜町の魅力はどのようなところにあると思いますか。
栗栖さん:移住してきた方がよくおっしゃるのは、温暖な気候と豊かな自然に恵まれているということです。グルメシティやオークワ、Aコープ、業務スーパーなどもあり、買い物にも困りません。子育て世代にうれしい支援も充実しています。白浜町には、町立の小学校が9校あります。令和元年の全国学力・学習状況調査では、小学6年生の国語も算数も和歌山県、全国平均を上回る結果が出ています。また、平成27年に総務省の補助事業でテレワークの拠点施設が開設されたことをきっかけに、国内外からIT企業が続々と進出しています。「南紀白浜空港」から東京の「羽田空港」までは飛行機で約1時間20分、空港から白浜町の貸オフィスビルまでは車で5分という立地の良さから、本社機能を白浜町に移転した企業もあるほどです。仕事(ワーク)と休暇(バケーション)を組み合わせたワーケーションにも注目が集まっています。白浜町の魅力はこれからも増していくと考えており、住環境としても素晴らしい場所だと思います。。
今回お話を聞いた方
白浜温泉旅館協同組合 栗栖玲子さん
所在地 :和歌山県西牟婁郡白浜町1650-1
電話番号: 0739-42-2215
URL:http://www.shirahama-ryokan.jp/
※この情報は2020(令和2)年1月時点のものです。
万葉の偉人もIT業界のビジネスマンも憧れる、魅力あふれる街・白浜町
所在地:和歌山県西牟婁郡白浜町1650の1
電話番号: 0739-42-2215
http://www.shirahama-ryokan.jp/