1973(昭和48)年開校の公立中学校

落ち着きのある伸びやかな地域で、”自ら学ぶ”姿勢を育む/新座市立第三中学校 和久井功雄校長先生


新座市の南東部、東京都と接する地域を学区としている「新座市立第三中学校」は、市南部を横断する清流、黒目川のすぐ脇にある中学校だ。学校の周囲には畑作地や妙音沢の緑地帯などの緑や自然も多く残っており、のびのびと学業に励むことができる条件がそろっている。

今回は、この中学校に2020年春に着任された和久井功雄校長を訪ね、学校の特徴や地域の人々との関わり、エリアの魅力などについてお話を聞いた。

和久井功雄先生
和久井功雄先生

――まず、学校の概要について教えてください。

和久井校長:本校は昭和48(1973)年に開校した学校で、今年で48年目になります。昭和52(1977)年に第五中学校ができて、一部の地区がそちらに分離をしましたが、比較的人数の多い学校として続いていまして、現在は1、2年生が7クラス、3年生が6クラス、特別支援学級2クラスの22学級という構成で、全校生徒約760名という学校になっております。新座市内では第二中学校に次いで2番目の規模ですね。学区は畑中、栄、池田、片山、馬場という地区になります。

――校舎など設備面での特徴を教えてください。

和久井校長:校舎は4階建てで、開校当初からの建物ですので、新しい設備といったものはありませんが、途中で何度か改修が入っていますので、トイレは新しいものになっていますし、新型コロナウイルス感染対策として水道の蛇口を校内全てレバー式に変更しました。また、エレベーターが付いてバリアフリーにも対応しています。一番の特徴は、体育館と武道場が広いことですね。体育館は全校生徒760人を収容しても余裕があるので、その点は非常に恵まれていると思います。

校舎の外観
校舎の外観

給食室の看板
給食室の看板

――教育目標、教育活動の特色を教えてください。

和久井校長:教育目標は「自ら学ぶ、心豊かに、たくましく」で、生徒玄関にも掲示しておりますが、生徒の認識率100%を目指して取り組んでいるところです。授業で心がけている点としては、今年度から新座市の研究委嘱を受けて、「自ら考え、主体的に社会と関わろうとする生徒の育成」ということをテーマにしています。主体的・継続的に学習に取り組む態度を育成することが、将来、社会に主体的に関わるという態度に結びつくだろうという考えで、現在、全教科にわたって研究に取り組んでいるところです。

校舎内に飾られた教育目標
校舎内に飾られた教育目標

いわゆる、今までの「教える・ピンポン型」の授業ではなくて、「バレーボール・サッカー型」と私どもでは言っていますが、そういった授業を展開して、主体的な態度を育成していこう、ということですね。また、多様な生徒がいるわけですが、「誰一人として取り残さない」ということも意識をしていまして、こちらも日々、改善に取り組んでいます。もう1点、昨年度から来年度までの3年間、文部科学省から「人権教育総合推進地域事業」という委託も受けていますので、第三中学校区を中心に、小学校4校と、新座高校と総合高校(新座総合技術高校)を合わせた合計7校で、人権教育に取り組んでいるところです。

教室内の風景
教室内の風景

――学校行事について、特徴的なものを教えてください。

和久井校長:今年はコロナ禍で何も行えていませんけれども、「体育祭」「合唱祭」「3年生を送る会」の3つは、例年ですと、恒例の大きな行事になっています。体育祭が9月、合唱祭が11月、送る会が3月ですね。私も実は、初任から9年間がこの学校でしたので、昔から非常に盛り上がる行事だったということで、よく覚えています。当然、体育祭はそれぞれ盛り上がる、ご想像通りのものですが、合唱祭は少し変わっていて、「最優秀賞」を取ったひとつのクラスが、その後、学区にある4つの小学校を回って、音楽朝会で歌を披露するんですね。これは本校の伝統になっています。

――3大行事以外にはいかがですか?

和久井校長:あとは、どの学校も同じだと思いますが、3年生は修学旅行、1年生はスキーと林間学校、2年生は修学旅行の準備という形で、校外学習に出かけています。地域と一緒に行っているものを含めれば、隔年でやっている「ふれあいフェスティバル」が比較的大きなもので、この時には学校でバザーをやったりしています。こちらは「地域ふれあい協議会」という組織が主催しているものですね。

併設されているプール
併設されているプール

――地域の方との交流、近隣他校や幼稚園・保育園との交流について教えてください。

和久井校長: まず、幼稚園・保育園については、1年生の社会体験授業として、地域のいろんな職場に行っていますが、近くにある「美鈴幼稚園」と「まきば第二保育園」に本校の生徒が行きまして、毎回お世話になっております。そのほか、「栄保育園」には吹奏楽部が演奏の披露に行っていますね。 小学校に関しては、小学校の陸上大会の前の時期になると、陸上部の生徒が池田小学校へ「陸上教室」という形で指導に行っていますし、先ほどお話をしたとおり、合唱祭の最優秀クラスが、本校の学区内の4つの小学校に行きまして、合唱を披露しています。 生徒会主催のものでは、6年生向けに「中学校紹介」という形で、4校を回っている、というものもあります。

廊下の様子
廊下の様子

――隣には県立新座高校もありますね。中高の交流はありますか?

和久井校長:それが、現実的にはなかなか難しいところで、部活動関係で多少の交流がある程度ですが、今回、人権教育で関わりを持てましたので、今後は新座高校と総合高校、それぞれ2校と、交流を図っていきたいと考えています。

――地域の方々との交流・連携についてはいかがでしょうか?

和久井校長:今年はまだ実施できていないのですが、「お話の雫」という会があって、定期的に朝の読み聞かせに来ていただいています。 あと、「地域ふれあい連絡協議会」という、地域のいろいろな組織が連携した協議会がありますが、こちらが主催で、「心の声かけ運動」ですとか、「花いっぱい運動」、「新座っ子パワーアップクラブ」といった企画もしてくださっています。生徒会と一緒に毎年行っている「黒目川クリーン作戦」や、先ほどお話した「ふれあいフェスティバル」も、こちらと協力して行っているものですね。

あとはやっぱり、地域のお祭りですね。この辺りは町会ごとにいろいろなお祭りがありますので、そこに生徒も入りながら、一緒にお祭りを作っているという部分もあるかと思います。また、PTAについても、PTAの中に「ボランティア活動部」というのがありますので、そちらと一緒に「グリーン作戦」という、校門から校舎までのアプローチの道に花を植えたり、生徒玄関前に花壇を作ったりという活動をしていますし、図書活動にもお手伝いをいただいています。

花壇の花々と校舎
花壇の花々と校舎

――地産地消型の給食にも力を入れているそうですね。

和久井校長: そうですね。給食では市内の農園の野菜を取り入れています。新座市内の学校はすべて自校給食なのですが、「尾崎農園さん」の野菜を使っています。18代も続いている農家さんで、テレビでも取り上げられるくらい有名な農家さんで、実は本校の学区内ではないのですが、本校の栄養教諭が頑張って交渉をして、入れてもらったという経緯があるようです。特別支援学級では、農園まで行って芋掘りもさせていただいています。

――部活動も活躍されているそうですが、活動状況を教えてください。

和久井校長:部活動は運動部が13、文化部が5ありまして、どの部活も一生懸命頑張っていますが、昨年度に関してお話をすれば、男子バスケット部が新人戦の県大会で準優勝、朝霞地区駅伝では女子優勝、さらに県大会では3位に入賞しまして、ほかの部も県大会に出るなど、それぞれ活躍していました。運動部の学校対抗では年間得点で女子が総合優勝、男子3位と、新座市内で見ても、部活動がさかんな学校と言えると思います。

ずらりと並んだトロフィー
ずらりと並んだトロフィー

――他校と比べて、どんな生徒が多いと思われますか?

和久井校長:地域自体が落ち着いた静かな地域ですから、非常に落ち着いていますね。駅近くの学校と比べると、ほんわかとして、素直だと思います。

広々とした校庭
広々とした校庭

――周辺エリアの魅力と、おすすめのスポットを教えてください。

和久井校長:地域としては、非常に静かで落ち着いたところですから、住みやすいところだと思います。おすすめの場所はまず、お隣の新座高校のすぐ裏手にある「妙音沢」です。ここには湧き水がふたつありまして、1分間に1トンの湧き水が出ているそうなんですね。エリア全体でみても非常に落ち着いていて、歩道も整備されていて、マイナスイオンたっぷりな環境だと思います。

あとは、学校のすぐ隣の、黒目川の遊歩道ですね。上流側は小平まで、下流側は荒川までつながっているので、歩くとすごく気持ちがいいです。私もここを通って通勤しますが、カワセミも時々見かけますし、アユも遡上してくるということです。桜の時期にもきれいですね。桜と言えば、新座総合高校の裏手にある「栄緑道」が非常にきれいで、地元のお花見スポットになっています。さらに先に行くと「和光樹林公園」などもありますから、環境的には、すごく恵まれているエリアだと思います。あと、本校のすぐ近くに「ダチョウ牧場」がありまして、えさやり体験などもできますから、お子さんには特におすすめです。

――最後に、これからこのエリアに暮らしたいという方に向けて、一言お願いします。

和久井校長:この辺りは東京に隣接した場所ですが、自然が豊かで、非常に落ち着いていて静かですし、とはいえ、駅まで出れば交通の便も悪くないですし、関越道や外環道も近いですから、いろいろな方面に行きやすく、暮らしやすい地域だと思います。ぜひ、お住まいになっていただければと思います。

和久井功雄先生
和久井功雄先生

新座市立第三中学校

校長 和久井功雄先生
所在地 :埼玉県 新座市池田1-1-1
電話番号:048-479-4052
URL: http://www.c-niiza.ed.jp/j-daisan/
※この情報は2020(令和2)年9月時点のものです。

落ち着きのある伸びやかな地域で、”自ら学ぶ”姿勢を育む/新座市立第三中学校 和久井功雄校長先生
所在地:埼玉県新座市池田1-1-1 
電話番号:048-479-4052
https://j-daisan-c-niiza.edumap.jp/